CADソフトは、建築や機械など、図面や設計が必要な現場に使われるようになっています。
ここでは、CADについて説明するとともに、Fusion 360やAutoCADを含むおすすめのCADソフトをご紹介します。
CADソフトを使うメリットや選び方も見ていきましょう。
CADとは
CAD(キャド)は「Computer Aided Design」の頭文字を取った言葉で、日本語に直訳すると「コンピュータ支援設計」となります。
これまで手書きで作成していた設計図や図面をコンピュータで効率よく作れるよう支援するのがCADの役割です。
実際、CADで作成した図面や設計図は手書きに比べて加筆・修正が容易で、変更履歴を残すこともできます。
CADで作成した設計図データは管理しやすく、他者との共有が簡単であるため、開発現場の作業効率化にも寄与します。
なお、CADは描ける図面により2DCADと3DCADに分けられます。2DCADは点と線を用いて、2次元の平面図・正面図・側面図を描くのに役立ちます。
3DCADは立体的に図形を作成できるため、アニメーションやゲームのグラフィック製作にも活用されています。
また、使用する分野別に専用CADと汎用CADが設けられています。専用CADとは、特定の分野に特化した、専門的な機能を有するCADです。
CADは建築・機械・システムなどの設計に使用されますが、各分野の専用CADには使用頻度の高い機能や部品があらかじめ使いやすいように配置・搭載されています。
一方、汎用CADは基本的な機能がまんべんなくカバーされており、どの分野のものでも設計が可能です。
おすすめCADソフト7選!
CADソフトはさまざまな種類が出されています。
ここで、おすすめのCADソフトをピックアップし、特徴をご紹介します。
Jw_CAD
建築設計に特化した2DのCADソフトです。無料で利用でき、操作もわかりやすいのが特徴です。
他のCADソフトに比べてマウスを利用する場面が多いため、手書きで図面を書くイメージで使える点が操作のしやすさにつながっています。
CADを勉強したい個人や導入を検討している中小企業まで、幅広い支持を得ています。
FreeCAD
無料で使用でき、機能が多い2D・3DのCADソフトです。主に建造物や船の設計に使われています。
オープンソースのCADソフトとなっているため、独自にカスタマイズすることも可能です。
無料でありながら商用利用できる点も魅力です。
Fusion 360
クラウド型のCAD/CAMソフトです。3Dモデルの作成・設計・シミュレーションに加え、製造支援まで行うCAM機能を有し、世界トップシェアを誇ります。
高機能が魅力のFusion 360は低価格で使用でき、費用の中にバージョンアップ料金などが含まれる点も人気の理由です。
サポートも充実しています。
AutoCAD
世界中で使用されているCADソフトです。
2Dに特化していますが、高度な描画ツールを有し、豊富な図面作成機能があります。
拡張機能が豊富であるため、建築・機械・電気など業務を問わず使用されています。
他のCADソフトで作成された図面の共有も可能で、クラウド環境やモバイルデバイスで利用できるため、どこでも作図作業やデータの共有が行えます。
AutoCADについて初歩的なことから高度な図面作成まで学びたい方には、以下のセミナーがおすすめです。初心者スタートでもわかりやすく、実務に利用できるよう体系的なカリキュラムと、実践的な課題へのチャレンジも行われる点が評価されています。
また、AutoCAD上級者を目指し、エンジニアとしての付加価値を高めたい方は、AutoCAD自動化について学べる以下のセミナーをおすすめします。こちらはスクリプトはもちろん、LISPというプログラミング言語を用いた自動化を2日間で学び、実務で利用可能なレベルまで習得できるため、人気です。
Revit
Revitは建築と構造の設計に適したCADソフトです。コンピュータ上で作成した3Dモデルに複数の図面を自動生成し、設計から施工、維持管理までの情報を一元的に活用する手法であるBIMに特化しています。
建設を行う際に必要な情報すべてを管理できるため、業務効率アップに役立ちます。
実績のあるCADソフトで、パナマ運河の工事にも利用されました。
Vectorworks
Vectorworksは建築デザインに特化したCADソフトです。家や店舗設計に用いられることが多く、直感的に操作できる点を魅力に感じて使用している人も多いようです。
建築や内装向けの「アーキテクト」、景観設計に役立つ「ランドマーク」など、デザインに特化したスタイルが搭載されており、使い勝手は抜群です。Vectorworksは、Windowsに加えてMacにも対応しています。
SOLIDWORKS
ユーザーの声を元に、日進月歩で機能が強化されているCADソフトです。
画面を高解像度化し、マウスのドラッグ数や移動距離を考慮して操作性を高めており、作業効率をアップするのに役立つでしょう。
CADソフトを使うメリット
CADを導入して軌道に乗せるには、たいていの場合、費用や時間がかかります。
それでも、CADソフトを利用する価値はあります。
ここで、CADソフトを使う主なメリットを手書きの図面と比較する形でご紹介します。
高い技術力を必要としない
鉛筆で描く手書きの図面は熟練の技が問われます。
特に修正や変更には技術力が必要で、注意深く作業してもヒューマンエラーを完全に防ぐのは難しいとされます。
一方、CADソフトは図面の寸法や面積の整合性を取りやすく、ミスが起きにくい仕様になっています。
CADソフトの習熟は手書きの図面作成よりも期間が短くて済むため、現場の戦力を増やすのに役立ちます。
図面の品質を維持しやすい
手書きの図面は、鉛筆跡などの汚れが残ることがあり、図面の見やすさを阻害する原因となります。
また、使用頻度の高い手書きの図面をきれいな状態で維持するのは難しいものです。
それに比べてCADソフトで作成した図面は、変更履歴は残せるものの、修正前の線は完全に消すことができ、印刷回数は問いません。
図面の品質には、図面自体のわかりやすさも関係します。
手書きの図面は、作成者の癖などが入り込みやすくなりますが、CADソフトで作成したものは個人に依存することなく見やすい図面を作成できます。
複雑な製図が可能
手書きでは複雑な製図を正確に行なったり、高速で描くことは難しいですが、CADソフトではそれが可能です。
込み入った図面を正確かつ高速で描くことができるため、業務の幅も広がります。
図面の共有が簡単
物理的に離れた人と手書きの図面を共有するには、写真にとって転送したり、郵送などで送る必要がありますが、CADソフトで作成された図面データはメールなどで一瞬のうちに送信できます。
CADソフトの選び方
CADソフトの導入は、お金をかければ成功できる訳ではありません。
また、人気のあるCADソフトを導入しても満足できない場合があります。
では、どのようにCADソフトを選ぶと良いのでしょうか。
導入目的をはっきりさせる
まずは、CADソフトで実現させたいことや解決したい問題を明確にすることが大事です。
CADソフトは一律に同じではなく、できることや機能面が異なります。
自分に必要な機能が導入予定のCADソフトに盛り込まれているなら、使用開始後の満足感は高まるでしょう。
企業でCADソフトを導入する場合、ソフト自体は無料であっても、導入のための時間的コストや教育コストはかかります。
導入目的を明確にしておくと、それらを最小限に抑えることができます。
使いやすさを考えて選ぶ
使い勝手の良さをポイントに選ぶのは賢明です。
業務の質やオペレーターのレベルを考えて導入するなら、運用後の作業効率アップが期待できます。
また、CADソフトの変更を検討している場合は、すでに作成したデータとの互換性を意識して選ぶとスムーズにいくでしょう。
CADソフトを初めて使う従業員が多い企業では、サポートが充実している会社のCADソフトを使うと安心です。
イニシャル・ランニングコスト
CADソフトの料金体系はさまざまです。
買い切りのもの、サブスクリプション版などがあり、イニシャルコストが抑えられても、ランニングコストが重荷になるケースも見受けられます。
導入コストに加え、保守やメンテナンス、自社に必要な追加機能の費用も確認してから契約すると良いでしょう。
おすすめCADソフトの特徴とCADソフトを導入するメリット
CADソフトは、設計や図面作成の手間を緩和でき、管理や共有もしやすくなる点がメリットです。
CADソフトにはさまざまな種類があり、おすすめのものとしてFusion 360やAutoCADが挙げられることがあります。
それでも、導入の目的を明確にし、自社にとって必要な機能を見極め、予算を考慮すると満足度は高くなるはずです。