簿記は、ビジネスの基礎を学べるとあって、とても人気のある資格です。
そのためたくさんの簿記講座が提供されていますが、「どれを選んだら良いか分からない」とお考えの方も多いはず。
この記事では皆さんのタイプに合ったおすすめの簿記講座を紹介します。
受講を決意したのに、講座が自分に合っていなくて結局資格を取れなかった…
なんてことにならないように、あなたのタイプに合った簿記講座を見つけてください!
簿記ってどんな資格?
簿記は、企業の活動をお金という単位で記録する方法のことです。
その名の通り「帳簿」を「記録する」やり方を勉強するんですね。
どのような仕事でもお金は避けて通れませんから、メーカーからサービス業まで、ありとあらゆる業種で使われています。お金の流れがわかるので、営業職や販売職など、経理以外の方も役立つスキルです。
試験としては日本商工会議所のものが有名で、「日商簿記」と呼ばれています。
ほかに、全商簿記、全経簿記というものもあります。
何級を受けたらいい?
この日商簿記には、初級、3級、2級、1級があります。
いちばん簡単なのは初級で、次が3級です。
3級は小学生が合格した例もあるそうです。実際に3級の試験会場に行くと、高校生や大学生、社会人、ご高齢の方まで幅ひろく受験しています。どの級を受けるのか迷うところですが、目的がキャリアアップなら、まずは3級をお勧めします。
初級じゃないの?と思われたかもしれません。
確かに初級は、3級から難易度の高い「決算」を除いてあるので、合格しやすい級です。
ですが実際の求人を見ると「簿記3級取得」を要件とするものが多く、さらに言えば2級まで求めるものもあります。ですから、せっかく受験するなら、2級取得まで目指したいところです。
3級も2級も、合格点は70点。満点でなくても合格できます。
受験日を決めよう
受ける級が決まったら、いつまでに合格したいのかも決めましょう。
コロナ禍を機に始まったネット試験なら、受験日を自由に選べます。
ペーパー試験の場合は、2月・6月・11月の年3回チャンスがあります。
どちらを選んでも「3級」「2級」の取得に変わりはありません。
この「いつが受験日か」は講座選びにおいてとても重要です。
3級の場合、多くの簿記講座は週1回のペースで約4か月で終わるように作られています。
したがって、たとえば11月の試験に合格したいなら、簿記講座を始めるのは8月から9月あたりがリミットということになります。
タイプ別おすすめ簿記講座
受ける級と受験日が決まったら、いよいよ簿記講座を選びましょう。
皆さんは試験勉強をするとき、どのようなタイプですか?計画的に勉強を進められますか?
それとも、つい後回しにして試験間際になって慌てて勉強するタイプですか?
簿記の合格には、タイプに合わせた講座選びがとても大切です。自分の過去の試験勉強を思い出して選んでみてくださいね。
それでは、タイプ別におすすめの講座を紹介していきます。
セミナー名 | 社名 | 価格 | 特徴・ポイント | 受講形式 | 講座時間・回数 | 教材・テキスト |
---|---|---|---|---|---|---|
簿記講座 | フォーサイト | 16,800円〜 |
| オンライン | 2ヶ月・12回 | あり |
簿記講座 | ![]() スタディング | 3,850円〜 |
| オンライン | 43講座 合計約16時間 | あり |
簿記検定通信講座 | ![]() クレアール | 16,000円〜 |
| オンライン | 100~120時間 | あり |
簿記講座 | ![]() 資格の大原 | 29,800円〜 |
| オンライン・対面 | 40〜50回 | あり |
スケジュール管理が苦手な方には「フォーサイト」
自分で計画するのがちょっと苦手と言う方には、フォーサイトの簿記講座をおすすめします。
というのも、学習スケジュールを自動で組んでくれる「学習計画作成管理スケジューラー」が利用できるからです。
実は簿記学習でもっとも多いつまづきは「教材の積み残し」です。
仮に1週間に1日勉強するとしましょう。
仕事やプライベートが立て込んで、つい1回分勉強を休んでしまいました。
すると、前のペースに戻すには1週間で2日分の勉強をしなければなりません。
これが重なり、気づけば目の前にはやっていない教材の山。
「もう追い付けないや…」と勉強を諦めてしまうということがとても多いのです。
そのうえ、簿記はときどき試験範囲が変わるので
「今年の教材で来年また勉強しよう」ということがやりにくい資格です。
ですから、この教材の積み残しだけは絶対に避けていただきたいです。
この積み残しを減らせる機能がフォーサイトにはあります。
目標日から逆算して今日何を勉強すべきかを、「ManaBun」というアプリが自動的に計算してお知らせしてくれます。スケジュール管理が苦手な人にはありがたい機能ですね。
教材は「合格点主義」にもとづいて、試験によくでる箇所に絞って作られています。
そのため比較的ボリュームも少なく、取り組みやすいものです。
価格は、簿記3級で16,800円、簿記2級で31,800円(2023年4月調べ)です。他の講座と比較すると、ほどほどに安価な講座です。
フォーサイトの特徴
- 「合格点主義」でボリュームの少ない教材
- 「ManaBun」が自動でスケジュール管理
- 比較的安価な価格
とにかく安く&時間がない方には「スタディング」
スタディングは、完全にスマホで完結できる、すき間時間にうってつけの簿記講座です。
アプリ上ですべての教材や動画を閲覧できるので、通勤や通学、朝活や夜活など、1日10分からでも学習できることを売りにしています。
また、非常に安価であることも魅力的です。
なんと簿記3級だけなら3,850円と、他社の追随を許さない低価格で提供しています(2023年4月調べ)。
なお簿記2級も19,800円なので、やはり比較的安価です。なお、3級と2級がセットになったコースもあります。
ただ、いつでもできるというのは、聞こえはよいのですが、自分でやると決めなければ始められないということでもあります。
勉強の習慣づけが苦手な人は、講座を申し込んだだけになりがちです。
また、質問もできません。わからないことは自分で調べる必要があります。
ですから、過去に通信講座で勉強を続けた経験がある方や、1人で黙々と勉強できる方に向いている講座ですね。
スタディングの特徴
- アプリですべて完結する教材と動画
- 圧倒的低価格
- 1人で黙々とやれる方に最適
たくさん質問したい方には「クレアール」
教材や動画を見るだけでは頭に入らない、質問をすることで知識が定着するというタイプの方には、質問回数が無制限の「クレアール」がおすすめです。
簿記の学習は、とりわけ最初はわからない単語がたくさん出てきます。
また「複式簿記」という独特の仕組みは、理解に時間がかかります。
その時気軽に質問できれば、学習の最も大切な最初の段階に、知識の基礎を作ることができますよね。
簿記は積み重ねの学問なので、この基礎をしっかり作ることは非常に大切です。
この点において、クレアールは毎日、電話での質問に対応してくれるという抜群のサポート体制を提供しています。
質問は電話、Skype、メールで行うことができ、何度でもできます。
その分、簿記3級は16,000円、簿記2級は53,000円と、ここまで紹介してきた2つに比べると比較的高価な講座です(2023年4月調べ)。なお、3級と2級がセットになったコースもあります。
ですが簿記講座は価格だけで決めるものでもありません。合格できないなら、いくら安くても無駄になってしまいます。自分の過去の学習スタイルから考えて、一方的な講義だけではつまづきやすいという方には、質問回数無制限は魅力的です。
なお、教材はとてもシンプルで、他社のようなカラフルな図は少なめです。その分講師が講義の中で説明を加えるというスタイルです。
クレアールの特徴
- 質問回数無制限
- 価格は比較的高め
- 一方的な講義では身につかないという方におすすめ
簿記1級や公認会計士まで目指す方には「資格の大原」
ここまで、簿記3級と2級の取得にフォーカスしてご紹介してきましたが、
この2つの資格の先には、国家資格並みの難易度を誇る1級と、国家資格の1つである公認会計士があります。
もしも、こうした難関資格の取得まで見据えているなら、ウェブ完結の簿記講座は、実はあまりおすすめではありません。
というのも、ここまで紹介した講座はいずれも試験によくでる論点を集中的に勉強するもので、簿記の全範囲を網羅してはいないからです。
難関資格の取得には、頻出論点ではない領域の知識も重要になります。
また、難関資格になるほど、1人だけの学習ではモチベーションの維持が難しくなります。
この点で「資格の大原」は、簿記の範囲を網羅的に講義する方針を取っています。
加えて、全国に実際の校舎を持つ強みを活かし、通学講座や、zoomを使ったライブ講義の配信も行っています。校舎では自習室も使えますし、講師に直接質問することもできます。通学講座なら質問回数も無制限です。
実際に自習室に行くと、自分と同じような年代の人や、若い学生さんが真剣に勉強している姿を見ることができます。
そうした環境で勉強すると、1人で自宅やカフェで勉強するのとはまったく違う刺激を受けることができます。
ただし受講料は高めです。簿記3級は通学コースが29,800円、簿記2級は82,200円です(2023年4月調べ)。ウェブライブ講義も同じ価格です。また、3級と2級がセットになったコースもあります。
資格の大原の特徴
- 簿記の全範囲を網羅した教材
- 全国に校舎を持つ強みを活かしたライブ講義や自習室
- 受講料は高め
自分に合った簿記講座を選んで合格を勝ち取ろう!
この記事では、タイプ別におすすめの簿記講座を紹介しました。
まとめると、スケジュール管理に不安のある方には「フォーサイト」。
自分で過去に通信講座をやり切った経験のある方には「スタディング」。
質問で知識を定着させたい方には「クレアール」。
そして難関資格まで視野に入れた方には「資格の大原」をおすすめします。
ご紹介したもの以外にも、たくさんの簿記講座が提供されています。
ですが強調したいのは、自分の学習スタイルに合った簿記講座を選ぼうという点です。
たくさんの簿記講座が乱立しているので、やはり価格というのは重要な判断基準になります。
ですが、どれほど安く講座を受講できても、自分の学習スタイルに合わず続けられないなら、結局はお金の無駄です。
ご自分に合った簿記講座を選んで、合格を勝ち取りましょう!