「G検定」とは
2018年に始まった「G検定」とは、JDLA(日本ディープラーニング協会)が実施するディープラーニングに特化した民間資格です。
ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定します。
「G」は「ジェネラリスト(Generalist)」の略で、ビジネスにおける知識や技術を幅広く学んだ人のことを指します。
近年、クラウド環境の普及やフレームワークやライブラリの充実などにより、AI開発自体のハードルは下がっています。
一方で、これらのツール群を使いこなせるだけではAI導入は難しいのが実情です。
そこで、AIの特性や導入事例に知見を持った「ジェネラリスト」の早急な育成が求められています。
試験形式はCBT(コンピューター・ベースド・テスト)です。
記述式ではなく、四択の問題になっており、2時間で225問程度の問題が出題されます。1問30秒程度でスピーディーに回答しなければなりません。シラバスは、
・人工知能をめぐる動向
・人工知能分野の問題
・機械学習の具体的手法
・ディープラーニングの概要
・ディープラーニングの手法
・ディープラーニングの社会実装に向けて
・数理・統計
から構成されています。受験費用は、一般13,200円(税込)、学生5,500円(税込)です。
年3回実施されており、有効期限は存在しません。
合格率は例年60〜70%程で推移しており、2023年までに累計約5万人の合格者を出しています。
合格率は高いですが、難易度が低い資格試験というわけではありません。
合格に必要な勉強時間は平均30~40時間程度と言われています。
仮に1日1時間勉強するとして、少なくとも1~2ヶ月くらいの準備期間をしっかりとって対策すれば合格の可能性は高いでしょう。
一方、忙しい方でも、1-2日の短期間の準備で取得することも可能です。
資格講座の中には、そのような短期集中講座も用意されています。
比較ポイント
以下に、セミナーを選ぶ際に比較すべき項目を順に解説します。
価格
通常価格のほかに期間限定の「キャンペーン価格」が設定されている場合があり、なかには半額程度になることもあります。
また、教育訓練経費を受けると自己負担分だけで済むため、制度活用ができるかもみておきましょう。
特徴・ポイント
最も重要なのは「修了生の合格率」であり、加えて「講座の満足度」なども気になるところです。
他には、講師や監修者をどのような方が務めているかが各講座によって結構異なるため、雰囲気が気に入ったものを選びましょう。
受講形式
対面・オンラインの区分があり、さらにオンライン受講には、ライブウェビナーの場合と、eラーニングの場合があります。
ライブウェビナーは時間が指定されており、リアルタイムで質問をすることができます。
一方、eラーニングは質問ができませんが、受講時間を自由に選べます。
開催場所
対面セミナーの多くは東京のみか、東京・大阪などの都市部に限られる傾向がありますので注意しましょう。
講座時間・回数
講座によってトータルの時間がまちまちなので、多くの受講生が気をつけるべきはこちらの項目だと思われます。
丁寧な説明が聞けると思ったら1日であっさり終わってしまったり、逆に多忙なのに長々と基礎的な説明を聞くことがないようによく確認しておきましょう。
教材・テキスト
オンライン開催の場合、pdfファイルで配布されることが多いですが、その他に教材やテキストがつくこともあります。
おすすめ講座「G検定」一覧表
セミナー名 | 社名 | 価格(税込) | 特徴・ポイント | 受講形式 | 開催場所 | 講座時間・回数 | 教材・テキスト |
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JDLA認定 G検定対策講座 | AI研究所 | 44,000円 ↓ キャンペーン価格 27,500円 | 満足度98.8% | 会場受講 ライブウェビナー eラーニング | 東京会場 オンライン | 6.5時間 | オリジナル教材 「G検定完全攻略セミナーガイド」 |
インプレス・アカデミー「G検定試験対策講座」 | インプレス | 33,000円(税込) |
| オンライン(ライブ配信) | オンライン | 2日間、計6時間 | オリジナルテキスト 書籍 『徹底攻略ディープラーニングG検定ジェネラリスト問題集 第2版』 |
JDLA G検定対策研修 ビジネスコース 0から始めるAIセミナー | 株式会社クロノス | 別途問い合わせ |
| 双方向型オンライン研修 eラーニング ハイブリッドなど | 対面 オンライン | 1日あたり6時間、1~2日間 | 公式テキスト |
データサイエンス G検定対策講座 | 株式会社アガルート | 65,780円 講師による質問対応付き:108,680円 |
| オンライン | オンライン | 全16時間のコース (各パート約1〜3時間) | 講義テキスト5冊 問題冊子・解説冊子各1冊 |
全人類がわかるG検定対策講座 | 株式会社AVILEN | 29,700円 |
| オンライン(ブラウザから専用Webサイトで受講できるeラーニング) | オンライン | 約16時間 | 講義資料 講義まとめノート |
以下では、各講座について解説します。
AI研究所「JDLA認定 G検定対策講座」
AIの概要と深層学習の理論を実践的に学び、最短でG検定の合格を目指します。
インプレス「G検定試験対策講座」
『G検定』に1回で確実に合格したい方・ディープラーニングを利用した新規事業やサービスを立案・推進したい方などにおすすめの内容です。
講座終了後も、最新のシラバスと出題傾向に対応したテキストを配布し、試験当日まで200問のオリジナル模擬解説を配布しオンラインでサポートします。
ITスキルアカデミー「JDLA G検定対策研修 ビジネスコース 0から始めるAIセミナー」
G検定取得を目指すシステム企画担当者、プロダクトマネージャ、事業部長、経営者が対象。
「じっくり2日間コース」では、200問近い演習問題を含みます。
「試験直前!!1日間コース」では、演習問題によるアウトプット中心の直前対策ができます。
アガルートアカデミー「データサイエンス G検定対策講座」
5つのコースと模擬試験からなります。
「理解」と「効率」の両方を叶える設計で、初歩的な内容から一歩一歩丁寧に説明がなされます。
AVILEN「全人類がわかるG検定対策講座」
AIの基礎知識、数学・統計知識、AIの活用・社会実装を取り巻く問題や政策などを学べます。
オンデマンド講義動画約16時間、380問以上のwebテストからなり、経験豊富なデータサイエンティストが講師を務めます。
「G検定」講座の注意点
さまざまなセミナーが開催されていますが、せっかく高額のセミナーを受けたのに「こんなはずじゃなかった…」となりたくないですよね。
後悔しないためにはどうすればよいでしょうか?
目的と難易度を再確認しましょう
「G検定」講座のなかには、6時間で終わるものから、16時間もかかるものまであります。
また、講師や使用するテキスト、対面研修かオンライン研修かなど、性質がかなり異なります。
「G検定」の場合、考えるべきは「講座の目的や難易度が本当に合っているか」どうかです。
最低限の数学的素養がないと、講師のレクチャーが難しく、ついていけないと感じるかもしれません。
あるいは逆に、機械学習にある程度習熟した熟練エンジニアの方であれば、内容はほとんど既知のものに感じられるでしょう。
講座を受講する前に、本当に講座をとる必要性があるかを考え直すことが大事です。
「G検定」講座のメリット・デメリット
「G検定」講座の受講には、以下のようなメリット・デメリットがあります。
メリット
- AIや機械学習、ディープラーニングに関する基礎的な知識が短期間で身につく
- ディープラーニングの社会実装の際に必要となる法律の問題や倫理、現行の議論など(E資格にはない)社会課題に詳しくなれる
- (「E資格」とともに)ディープラーニングに関する唯一の資格であり、希少性の高い資格であるため、キャリアアップにつながる
- 「E資格」を取得するためのステップアップになる
デメリット
- 短時間ですむ取得講座が多いため、学習意欲の高い人にとっては物足りない
- ディープラーニングの理解は進むが、肝心のプログラミングスキルは学べない
- AIやディープラーニングの現場応用など、実践的な技術は学べない
- 「E資格」を取得するには、専門的なスキルの学習が別途必要になる
「G検定」講座の口コミ
引用元:G検定試験対策講座
引用元:全人類がわかるG検定対策講座
まとめ
「G検定」はディープラーニングに精通したジェネラリストに必要なスキルを証明する資格で、現在需要が高まっています。
ディープラーニングの数学的な原理だけにとどまらず、周辺分野である法律の問題や倫理など、AIに関する現行の議論までひととおり学べるのが魅力です。
「G検定」の取得に向けたさまざまな講座をご紹介しましたが、受講形式・受講時間・スタイル・費用などの特徴が各講座によって違うため、ご自身に合ったものをよく検討してください。
時代に合った資格取得によって知識をアップデートすることで、キャリアアップや転職に有利な条件がきっと得られることでしょう。