AIの飛躍的な進化に伴い、生成AIで漫画制作できるツールも多様化してきました。
生成AIを使えば、イラストが苦手な方でも、簡単な手順でプロ並みの漫画を制作できます。
今回は、おすすめの生成AIで漫画を作れるサイトをご紹介します。
作る手順や生成AI漫画の著作権、利用するメリット・デメリットについても解説しますので、生成AIを使った漫画制作に興味がある方はぜひ参考にしてください。
生成AIで漫画を作れるサイトとは?
生成AIで漫画を作れるサイトとは、AIを使って漫画を生成するサイトのことです。
AIがイラストを作成してくれるので、イラストスキルがない方でも思い描いたイメージを「漫画」という形で表現できます。
生成AIで漫画を作る2つの方法
生成AIを用いた漫画制作は、主に以下の2つのアプローチに大別されます。
統合型の漫画生成
統合型の漫画生成とは、アイデア出しから画像生成、コマ割り、編集まで、漫画制作に必要な全ての工程を一つのツールで完結できる方法です。
多様な機能により、複雑な構図や表情の表現もできるため、本格的な漫画制作を目指す方におすすめです。
分割型の漫画生成
分割型の漫画生成とは、画像生成AIツールと画像編集ソフトを使ってAI漫画を作る方法です。
具体的には、AIが生成した画像をベースに、画像編集ソフトを使ってセリフを加えて作成します。自由度の高い創作活動を楽しみたい方、シンプルな4コマ漫画作りをしたい方に最適です。
漫画作成生成AIサイトおすすめ6選
まずは、おすすめの生成AIで漫画を作れるサイを一覧表で比較してみましょう。
ここでは、漫画生成AIの方法、利用料金をまとめています。
サイト名 | 主な特徴 | 生成方法 | 利用料金 | 商用利用 |
SkyReels (旧:Comic AI) |
| 統合型 |
| △ |
Anifusion |
| 統合型 |
| 〇 |
OctoComics |
| 統合型 |
| 〇 |
Comic AI Generator |
| 統合型 |
| ― |
Image Creator |
| 分割型 | 無料 | 〇 |
Copilot |
| 分割型 | 無料 | 〇 |
※商用利用:△(有料版のみ)
それでは、一覧表で紹介した生成AIで漫画を作れるサイトを一つひとつ紹介していきましょう。
漫画生成AIサイト①SkyReels
SkyReels(旧:ComicAI)は、ストーリー構築からイラスト生成、編集まで一貫して制作できるAI漫画生成サイトです。高度なAIアルゴリズムを活用し、キャラクターの一貫性維持やコマ割りの提案など、リアルで高品質な漫画作成をサポートします。
SkyReelsでは、「Mana」というポイントを使ってサービスを利用します。
無料・有料どちらもManaが付与され、別途Manaを追加購入することも可能です。Proプランの場合、商用利用にも対応できます。
なお、上記の動画でAI漫画の作成手順を紹介していますので、ぜひご参照ください。
プラン | Starter | Pro |
月額料金 | 無料 | 15ドル (約2,240円) |
AI漫画生成 | 1,200Mana (約400枚の画像生成) | 4,500Mana (約1,500枚の画像生成) |
漫画生成AIサイト②Anifusion
Anifusionは、アニメ調の漫画を制作を得意としたAI漫画生成サイトです。
比較的大人っぽい画像を生成するので、リアリティを追求する漫画に適しています。ぜひ、上記の使い方動画を参照いただく際に、画像の雰囲気も確認しておいてください。
AI漫画生成はテキストプロンプトを入力するだけで魅力的なキャラクターを表現し、さらにコマ割りやセリフの編集機能も内蔵。コマ割りの選択肢は3分割から6分割まで対応しているので、自由にコマや構図をアレンジできます。
なお、画像生成に要する時間が若干長く、また現時点ではスマホアプリ版が未リリースである点に注意が必要です。
プラン | 無料プラン | プレミアムプラン |
月額料金 | 無料 | 20ドル (約2,990円) |
AI漫画生成 | 生成画像枚数:100クレジット |
|
漫画生成AIサイト③OctoComics
OctoComicsは、ハイクオリティで高精度な漫画を簡単に作成できるAI漫画生成サイトです。
プロンプト入力のみの簡単操作で、アイデアを生かしたオリジナル漫画を自動生成します。
豊富な画風の中から好みのスタイルを選択でき、さらにキャラクターや背景も自由にカスタマイズ可能。完成した漫画は商用利用することもできます。
なお、こちらのサイトは無料版と有料版が提供されていますが、詳しいプランや価格についての情報はありませんでした。利用の際には、必ず利用規約を確認し、手順を踏んで操作を進めることを心がけましょう。なお、詳しい作成手順は上記の動画をご確認ください。
漫画生成AIサイト④Comic AI Generator

Comic AI Generatorは、AIアルゴリズムを駆使したプロ仕様の漫画制作ツールです。美しい画質と豊かなディテールで、日本、アメリカ、中国などさまざまな漫画スタイルに対応しています。
AI漫画生成方法は、プロンプトを入力するだけの簡単操作。キャラクターの一貫性も高く、さらに長編漫画にも対応しています。1,000人以上の漫画愛好者が利用しているツールですが、商用利用に関しては現時点では不明です。
プラン | 無料プラン | 有料プラン |
月額料金 | 無料 | 59ドル (約8,790円) |
AI漫画生成 |
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|
漫画生成AIサイト⑤Image Creator
Image Creatorは、Microsoftアカウントさえあれば誰でも無料で利用できる、手軽なAI漫画生成ツールです。高品質な画像を短時間で生成でき、生成された画像に吹き出しなどを加えることで、オリジナリティあるAI漫画を作成できます。
生成時は、プロンプトを入力するだけで、4コマ漫画など多彩な形式の画像を生成可能です。
さらに、漫画のシナリオやセリフを入力すれば、その内容に沿ったイラストを生成することもできます。
なお、現時点では日本語での吹き出し生成には対応しておらず、上記のように英語のみセリフを挿入できます。日本語のセリフを入れる場合はイラストのみで生成し、別途画像編集ツールを使ってセリフを入れてください。
漫画生成AIサイト⑥Copilot
Copilotは、Microsoftが提供しているAIアシスタントです。
こちらは、一般的なWebサイトとは異なり、通常文章の作成や検索に使うツールですが、画像や漫画生成にも対応しています。漫画や画像生成は回数制限なく何度も無料で使え、上記のようなシンプルでかわいい漫画を生成してくれるサービスです。
ただし、4コマ以上になると細かい指示に対応できず、イメージと異なる漫画を生成するケースがあります。AI漫画作成時には、上記のようにシンプルな4コマイラストを作成し、その後画像編集ツールを使って以下のようにAI漫画を作り上げましょう。
このように、AI漫画に適した画像を生成するツールと画像編集ソフトを使っても、簡単に漫画を作成できます。統合型のAI漫画生成作成サイトも便利ですが、身近なツールで手軽にAI漫画を作成できるおすすめの手法です。
以下の記事では、AIイラストを生成できる無料サイトを7選ご紹介しています。
上記以外にもAI漫画に使える画像を生成できるツールがあるので、ぜひ参考にしてお気に入りのサービスを見つけてください。
生成AIでの漫画の作り方
続いて、先ほど紹介しました「SkyReels」を使った漫画の生成方法を解説します。
- ストーリー作成
- キャラクターのデザイン
- シチュエーション設定
- コマ割り
- 吹き出し・セリフ入力
- ダウンロード
STEP1. ストーリー作成
まずは、AIで作りたい漫画のストーリーから作成しましょう。
- 「SkyReels」にログイン
- 画面の「作成開始」をクリックし漫画タイプを選択
- 画面内の各要素を参照してストーリー作成
なお、上記の画面の要素は以下の3通りからなっています。
- ストーリーテンプレ(テンプレのストーリー)
- アイデアを編集(漫画に取り入れたいアイデアの概要を記載)
- ストーリー(具体的なストーリー展開を詳しく記載)
良いストーリーが思い浮かばない場合は、当該サイトで購入できる「Mana」を使って、AIでストーリー作成することも可能です。ストーリーが決まったら、画面右下の「次へ」をクリックしましょう。
STEP2. キャラクターの詳細設定
続いてキャラクターの詳細を設定します。
キャラクターは、先ほど入力したストーリーを基にAIが事前にデザインを作成しています。
手順は以下の通りです。
- 画面に表示されるキャラクターを確認
- キャラクターの名前と外観設定を入力
- 画面右の「次へ」をクリック
これで、キャラクターの詳細設定は完了です。
なお、キャラクターのデザインを変更したい場合は、②の入力欄の下部にある「再生成」をクリックすると違うキャラクターをデザインしてくれます。
新規キャラクターを設定したい場合は、「キャラクターズ」と表示されている下部の「+新規キャラクター」をクリックすれば、新キャラクターのボディラインを生成してくれます。
ただし、新規キャラクターの設定は、事前にAIが生成したキャラクターの詳細を設定した後でしかできないので注意しておきましょう。
STEP3. シチュエーション設定
次は、アニメのシチュエーションを設定しましょう。
- パネルに画面が切り替わったら、画面左上にある「新規パネル」をクリック
- その後、「新規パネル」下部の「編集」をクリック
- 編集画面に切り替わったら、画面下部にキャラクターが登場
- 画面下部の「ポジション」をクリック
- 編集画面にキャラクターを配置
- プロンプト欄にシチュエーションの説明を入力
- シチュエーションに表示したくない要素は「ネガティブプロンプト」欄に入力
- 「部分修正」を使って適宜修正を実施
- 設定完了後、画面右上の「保存」をクリック
これでシチュエーションの設定は完了です。
STEP4. コマ割り
続いて、コマ割りを行っていきます。
- 画面右の「コマ」マークのアイコンをクリック
- 画面右から、好きなコマのフレームを選択
- コマに先ほど設定したシチュエーション画面をドラッグ&ドロップで配置
これで、コマ割りが完了です。
STEP5. 吹き出し・セリフ入力
続いて、先ほどのコマに設定した画面に吹き出しとセリフを入力していきます。
- コマの下にある「吹き出し」アイコンをクリック
- 吹き出しを選択し、画面に配置
- 吹き出しアイコンの下にある「テキスト」をクリック
- 吹き出しに入れるテキストをクリック
- テキストボックスにセリフを入力
これで、吹き出しとセリフ入力が完了です。
STEP6. ダウンロード
漫画が完成したら、最後にダウンロードを行います。
- 画面右の「公開しダウンロード」をクリック
- 生成AIを使った漫画の1ページが完成
上記の過程を繰り返して、必要な漫画のページを作成してください。
漫画生成AIサイトを使うメリット
続いて、生成AIで漫画を作れるサイトを使うメリットについて解説しましょう。
- イラストが描けなくても漫画を作れる
- 効率的に作業ができる
①イラストが描けなくても漫画を作れる
生成AIで漫画を作れるサイトを使えば、イラストや絵画を描くのが苦手な方でも、オリジナルのアイデアを反映したプロ並みの漫画を制作できます。
漫画のクオリティに大きく影響するイラストを、AIが自動で生成してくれるため、絵画スキルは一切不要。ユーザーは、キャラクターや背景の設定、ストーリーの構成といった、クリエイティブな部分に集中することができます。
さらに、コマ割りや構図を自動生成してくれるサイトもあるため、漫画の専門スキルも必要ありません。アイデアさえあれば、誰でも手軽に漫画を制作できるのは、AI漫画生成サイトならではの魅力といえるでしょう。
②効率的に作業ができる
生成AIで漫画を作れるサイトを使うと、作業効率が大幅にアップします。
たとえば、「Comic AI Generator」などのテキスト入力だけのAI漫画生成サイトを使えば、わずか数分で自分のアイデアを形にした漫画が完成します。
もちろん、イラストソフトやペン、紙といった画材は一切使わないため、初期投資や準備の手間もかかりません。漫画作成のアイデア出しやストーリー展開について相談できるツールもあり、AIとの対話を通じて、より洗練された作品を作り上げることもできます。
ツールによって機能は異なりますが、最も手間のかかるイラスト制作の部分をAIに任せることができるのは、AI漫画生成サイトならではの魅力です。
漫画生成AIサイトを使うデメリット
生成AIで漫画を作れるサイトを使う際には、以下のようなデメリットも考慮する必要があります。手軽で便利なツールだからこそ、注意すべき点をいくつか挙げておきます。
①オリジナリティに欠ける
生成AIで漫画を作れるサイトはオリジナリティに欠けるというデメリットがあります。
AIは膨大な画像データを学習して漫画のイラストを生成するため、一般的に良く見られる雰囲気のイラストを生成します。さらに、AIならではのイラスト感も拭い去ることができません。
生成AIで漫画を作れるサイトを利用する場合、構成やストーリーは人間の意志を重視して作成できますが、イラスト部分は全てAI任せです。オリジナリティを活かしたい場合には、デメリットが多いツールといえるでしょう。
②漫画生成に特化したAIサービスが少ない
生成AIで漫画を作れるサイトには、漫画生成に特化したサービスが少ないというデメリットがあります。
動画や画像生成のツールは数多く存在するものの、漫画生成に特化したツールは非常に限られているのが現状です。
そのため、本記事で紹介したように、画像生成ツールを利用して漫画風のイラストを作成し、別途画像編集ソフトで漫画のように加工する方法も視野に入れる必要があります。
ただし、こうした画像生成ツールで漫画を作成する際は、漫画特有の表現や複雑なストーリー展開に対応しづらいです。選択肢が限られているという制約が、AI漫画生成における大きな壁の一つといえるでしょう。
生成AI利用の漫画の著作権について
生成AIで作った漫画の著作権はどこに帰属するのでしょう。
最後に、多くの方が抱きがちなこの疑問にお答えしていきます。
一般的に著作権は生成者に帰属する
生成AIで作った漫画の著作権は、一般的に生成者に帰属します。
これは、生成AIが生成したコンテンツに、生成者のアイデアや創造性が反映されていると判断されるからです。
なお、AIに生成を指示するプロンプトが非常に単純で、生成者独自の要素がほとんど加わっていなければ著作権は生じません。しかし、テーマや構成に生成者の意図が含まれているAI漫画の場合、著作権の帰属先の多くは生成者本人となります。
生成AIの活用とリスクへの対策
生成AIで漫画を作れるサイトは便利で簡単なツールですが、取り扱いには十分な知識と注意が求められます。
特に、AI漫画に対して意図的に既存の著作物を模倣するプロンプトや操作を加えた場合には、著作権侵害のリスクがあるため注意が必要です。
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受講期間 | 2日 |
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受講料金 | 各38,500円 |
生成AIで漫画を作れるサイトまとめ
生成AIで漫画を作れるサイトは、他の生成AIサービスと比較するとその数はまだ多いとはいえません。
しかし、さらなる進化を遂げるであろうAIとクラウド技術を背景に、今後AI漫画生成市場は大きく拡大していくと予想されています。選択肢が増えるからこそ、その利用方法やサービス内容をしっかり認識することが必要です。
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