もはや「時代の顔」と呼べるほど存在感を高めている生成AI。マーケティング手法も生成AIの登場以降変化し、Googleもついに検索体験を刷新する「AIモード」にシフトチェンジしました。
この記事では、生成AIを開発・活用している国内・海外の企業20社をピックアップしてご紹介します。ぜひこの機会に、各企業の生成AIへの取り組みと最新動向をご確認ください。
生成AIが企業に与える影響
生成AIが企業に与えている影響は、計り知れないほど甚大です。
その登場は、既存のビジネスモデルのあり方を根底から変え、新たな形での再構築を企業に迫っています。ここでは、Googleによる生成AI導入の最新事例からその実情を見てみましょう。
- Google検索を揺るがす「AIモード」の本格導入
- 「ゼロクリック検索」時代の到来とLLMOの重要性
- Microsoft Bingの先行事例が示す未来
①Google検索を揺るがす「AIモード」の本格導入
2025年5月20日、Googleが発表した「AIモード」は、検索の歴史を塗り替える画期的なニュースとして世界に衝撃を与えました。
最新のAIモデル「Gemini 2.5」を搭載したこの機能は、従来の検索結果に加えて、AIがユーザーの質問に対し要約や直接的な回答を提供するものです。これにより、企業の情報発信や広告戦略(検索連動型広告)は、抜本的な見直しを迫られることになります。
②「ゼロクリック検索」時代の到来とLLMOの重要性
AIモードの導入後は、ユーザーが検索結果をクリックせず、生成AIの回答だけで目的を達成する「ゼロクリック検索」が劇的に増加するといわれています。これは、従来のSEO(検索エンジン最適化)が効力を失い、LLMO(大規模言語モデル最適化)が代替することを示唆しています。
つまり、今後は、「どの企業の情報が生成AIに取り上げられ、回答に活用されるか」が、新たな競争の軸となるのです。すでに、Googleが提供している「Googleオーバービュー」によって、この変化は着実に進んでいます。
③Microsoft Bingの先行事例が示す未来
実は、Googleに先んじて、2023年にはMicrosoft BingがAI要約機能や「Copilot」を導入していました。現在、Google検索一覧に表示される「Googleオーバービュー」は、まさにMicrosoft Bingの要約機能そのものです。そして、今回のAIモードはCopilotと見事にリンクします。
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生成AIの著作権侵害は度々議論されており、現在も解決途上の課題です。生成AIの著作権侵害の判断基準については以下の記事で解説しているので、ぜひこの機会に生成AIを安全に使うための知識を習得してください。
生成AI開発企業20選
ではさっそく、生成AIを開発している20の企業をご紹介しましょう。ここでは、日本と海外に分けてそれぞれ10社ずつお伝えします。
- 日本の生成AI開発企業10選
- 世界の生成AI開発企業10選
①日本の生成AI開発企業10選
まずは、日本で生成AIを開発している企業を一覧で見ていきましょう。
企業名 | 主な特徴 | 活用シーン |
NTT |
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NEC |
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富士通 |
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Preferred Networks |
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Sakana AI |
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Sony AI |
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サイバーエージェント |
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rinna |
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LINEヤフー |
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オルツ |
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日本企業・NECが開発した日本語LLM「cotomi」は、国産生成AIの中でも高い注目を集めています。「cotomi」が画期的なのは、ハルシネーション(AIが事実に基づかない情報を生成すること)対策を実装している点です。
この信頼度の高さは、正確性が極めて重要な、医療や製造業分野で活用されていることでも実証されています。日本企業ならではの堅実さと信頼性を追求する姿勢は国内外で評価され、MM総研大賞2024では最優秀賞も受賞しています。
NECの生成AI「cotomi」については、ぜひ以下の記事もご参照ください。「cotomi」に多く寄せられる質問、個人利用の可否や料金についても詳しく解説しています。
②世界の生成AI開発企業10選
世界では多数の企業が生成AI開発を推し進めており、各企業が独自の強みを活かしたアプローチを展開しています。以下に主要な開発企業をまとめました。
企業名 | 開発国 | 主な特徴 | 主な活用シーン |
OpenAI | アメリカ |
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Google(Alphabet) | アメリカ |
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Microsoft | アメリカ |
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Anthropic | アメリカ |
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Stability AI | イギリス |
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Midjourney | アメリカ |
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Meta Platforms | アメリカ |
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IBM | アメリカ |
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Cohere | カナダ |
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Perplexity AI | アメリカ |
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OpenAI、Googleといった大手企業が並ぶ中、着目したいのはPerplexity AIです。この企業は「情報の根拠を明示する対話型検索エンジン」という新たな形を打ち出しています。
Perplexityは、Google検索のように情報の出典を示しつつ、ChatGPTのような自然な回答も可能です。つまり、双方の良い部分を兼ね備えており、従来の生成AIが持つハルシネーション(もっともらしい嘘)にも正面から対応しているのです。
無数の企業が生成AI市場に参入する中で、こうした明確な差別化は、生存競争が激しい生成AI開発市場において大きな企業力となるでしょう。
生成AI活用企業事例5選
ここでは目先を変えて、生成AIを企業のDX化に活用している事例をお伝えしましょう。生成AIならではの斬新な視点に着目した、興味深い企業活用事例が見られます。
企業名 | 主な活用内容 | 効果・成果 |
シャープ |
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サントリー |
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LIFULL |
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ロレアル |
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ビアンフェ. |
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生成AIの企業活用事例は多岐にわたりますが、上記では特に興味深い企業例を挙げました。
特に注目したいのは「ビアンフェ.」の取り組みです。AIが迅速かつ高品質なナレーションを生成することで、ご遺族の負担を軽減しつつ、故人への深い想いをより温かく伝えています。
一人ひとりの感情にそっと寄り添い、非常にデリケートな場面で温かいサポートができる。まさに、生成AIを使い新しい価値を生み出した企業の好例といえるでしょう。
生成AIと企業が切り拓く未来とは
2023年から急成長を遂げた生成AIは、2025年にはビジネスや暮らしのあらゆる場面へ本格的に浸透すると予想されています。この大きな変化は、「AI大国」として世界から注目を集めている日本にとって、市場で存在感を高めるとともに、企業の成長を促す絶好の機会となるでしょう。
- 日本が生成AIの新たな拠点に
- 広がる生成AIの影響と日本の選択
①日本が生成AIの新たな拠点に
画像生成AIの代表企業・Stability AIは、2023年1月、英国本社以外で初めて、全事業を統括する拠点を東京に設立しました。これは、日本の法制度の柔軟性やAIとの高い親和性を評価したためです。この動きは、2025年度、海外先進企業の日本拠点設立を加速させると見られています。
そのような中、国内企業も勢いを増しており、NECが開発する生成AI「cotomi」は、「ELYZA Tasks 100」で世界の主要生成AIと同等の評価を獲得。Sakana AIのような新興企業も台頭しており、こうした動きは、「ジャパニーズGAFA(GoogleやAmazonに匹敵するIT巨頭)」の到来がもはや夢ではないことを示しています。
②広がる生成AIの影響と日本の選択
かつては「海外から技術を取り入れる国」だった日本が、今や「東京から世界へ」と技術を発信する立場へと変わりつつあります。Googleが生成AI「Gemini」を軸に、マーケティングや検索のあり方そのものを刷新する中、日本企業も新たな挑戦を余儀なくされています。
この歴史的な転換点を、一時代の流行で終わらせるのか、それとも新たな産業の柱へと育て上げるのか。それは、まさに「今」を生きるすべての日本企業の肩にかかっているのです。
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生成AI企業についてまとめ
生成AIを開発・活用する企業は年々増加しており、今や生成AIは企業の成長や競争力に直結する存在となっています。
生成AIの開発はもちろん、導入によってもイノベーションのスピードは加速し、ビジネスの可能性も大きく広がります。これからの時代、企業が次のステージへ進むためには、生成AIとの共存が重要な選択肢の一つとなるでしょう。