AutoCADは建築・設計・製造など幅広い分野で利用されている高性能なCADソフトですが、学生であれば通常数万円かかるライセンスを無料で使用できるのをご存じでしょうか?
本記事では、AutoCAD学生版の特徴や申請方法、通常版との違い、利用時の注意点までを網羅的に解説します。さらに、学習に役立つセミナー情報や卒業後の対策についても紹介。
これからCADを学びたい学生必見の内容です。
AutoCADとは
AutoCADは世界中の設計・製図業務に活用されている2Dおよび3D対応のCADソフトウェアです。通常は高額なライセンス費用がかかりますが、学生や教育関係者を対象に、学習目的で無償提供されているのが「学生版AutoCAD」です。学生版は、教育機関に在籍している間であれば、制限なく利用することができ、設計スキルを習得するための強力な支援ツールとなります。
ここでは、通常版との違いや利用対象者、使用条件と注意点について見ていきましょう。
通常版と学生版の違い
学生版AutoCADは、基本的に通常版と同じ機能を提供しています。ただし、利用目的やサポート内容にいくつかの相違点があります。
以下の表で主な違いを確認しましょう。
項目 | 通常版 | 学生版 |
---|---|---|
利用目的 | 業務利用・商用利用可能 | 教育・学習目的のみ |
利用料金 | 有料(年額約7万円以上) | 無料 |
機能制限 | なし | なし(ただし商用利用は禁止) |
使用期間 | 契約に基づく(1年〜) | 1年単位(更新可能、最大3年程度) |
技術サポート | Autodeskによる公式サポートあり | 原則なし(自己解決・コミュニティ利用) |
対象者 | すべてのユーザー | 教育機関に在籍する学生・教員など |
このように、学生版は通常版と機能的な差はありませんが、利用条件やサポート体制に違いがあります。目的に合ったライセンスを選ぶことが重要です。
利用できる対象者
学生版AutoCADを利用できるのは、Autodeskが認定する教育機関に在籍している学生です。対象となる教育機関には、大学、短期大学、高等専門学校、高等学校、職業訓練校などが含まれます。年齢については13歳以上であることが条件とされており、未成年の場合は保護者の同意が必要な場合もあります。
なお、教育機関の正規在籍者であることを証明できる書類(学生証や在学証明書など)の提出が必要です。
使用条件と注意点
学生版AutoCADは無料で高機能なソフトを利用できる反面、使用にはいくつかの条件と注意点があります。
具体的には以下の通りです。
- 教育機関に在籍していることを証明できる書類が必要
- 使用目的は学習・教育用途に限られる
- 商用利用は禁止されている
- 1年ごとにライセンス更新の手続きが必要
- 技術サポートは基本的に提供されない
- 学生でなくなった時点で使用権は失効する
- ライセンスは1ユーザーあたり最大3台までのデバイスにインストール可能
条件を満たさない場合や、利用規約に違反する使い方をすると、ライセンスの取り消しや製品の使用停止となる可能性があります。必ず正しい手順と目的で利用しましょう。
学生版のAutoCADを利用するメリット
学生版AutoCADは、通常版と同等の機能を無償で利用できるため、設計や製図を本格的に学びたい学生にとって非常に価値の高いツールです。単に費用がかからないだけでなく、将来的なキャリアやスキルアップにも大きく貢献します。
この章では、学生版AutoCADを使うことで得られる主なメリットについて探っていきましょう。
無料でフル機能が使える
AutoCADは一般的に高価なソフトウェアであり、個人で導入するには大きな負担が伴います。しかし、学生版では高機能なソフトを一切の費用なしで利用できます。
具体的には以下の通りです。
- 通常版と同じコマンド・機能・操作環境を利用できる
- 2D製図と3Dモデリング両方に対応
- 複数台のパソコンにインストール可能(最大3台)
- 使用期限内であれば継続して利用できる(1年更新)
このように、費用面での障壁がなくなることで、誰でも高度なCADソフトに触れる機会を持つことができ、学習の幅が一気に広がるでしょう。
就職・キャリアに活かせる
AutoCADは多くの業界で標準的に使用されているソフトの一つです。学生のうちからAutoCADの操作スキルを習得しておくことは、将来の就職活動や実務での即戦力に直結します。
具体的には以下の通りです。
- 履歴書や面接でアピールできる技術スキルになる
- 建築・土木・機械・電気分野など多岐にわたる業界で評価される
- 資格取得や技能試験の実技練習に使える
- ポートフォリオ作成にも活用できる
このように、学生版を使いこなすことは、単なる学習にとどまらず、プロとしてのスタート地点にもつながります。
また、体験版も無料で利用できます。最初に手続きなく利用してみたい場合は、下記の記事を参考にしてみてください。
互換性の高さと実用性
AutoCADは世界中で広く使われており、多くのソフトやシステムと高い互換性を持っています。そのため、学習段階から業界標準のデータ形式に慣れることができます。
具体的には以下の通りです。
- 業務で一般的なDWGやDXF形式に対応
- 他のCADソフトとの互換性が高く、ファイル共有もスムーズ
- クラウド機能によりデータの共有や保存が容易
- 複数人での設計作業にも対応可能
このように、AutoCADの高い実用性と汎用性は、学生時代からの学習環境として非常に優れています。将来プロの現場に出た際にも、スムーズにソフトに対応できる力が自然と身に付くでしょう。
AutoCAD学生版を通じて基本的な操作に慣れ、より実践的なスキルを短期間で身につけたいと考えている方には、専門のセミナーを活用するのがおすすめです。特に、「AutoCAD基礎セミナー講習」は、初心者からでも短期間で実務に役立つスキルを効率よく学べるカリキュラムが魅力です。
会場受講(東京・大阪・名古屋)だけでなく、オンラインやeラーニング形式にも対応しており、自分の学習スタイルに合った方法を選べる点も安心です。将来の就職活動やポートフォリオ作成に備えて、今のうちにスキルの土台をしっかり固めておきたい学生にとっては、非常に効果的な学習機会となるでしょう。
AutoCAD学生版の取得方法
AutoCADの学生版は、Autodeskが公式に提供する教育ライセンスを通じて申請・利用することができます。申請手続きはオンラインで完結し、必要な書類とアカウント登録さえ行えば、数日以内にソフトのダウンロードが可能になります。
取得方法は以下の通りです。
- Autodeskの教育機関向けポータルサイトにアクセスする
- Autodeskアカウントを作成する(名前、メールアドレス、生年月日などを登録)
- 教育機関の情報(学校名、入学年、卒業予定など)を入力する
- 学生であることを証明する書類をアップロードする(学生証、在学証明書など)
- 審査結果を待つ(通常数時間から2日程度)
- 承認メールを受け取った後、製品を選択しダウンロード・インストールを行う
以上の手順を踏むことで、正規の学生版AutoCADを無料で利用することができます。申請には学生証やメール認証などいくつかの確認手続きが必要ですが、流れ自体はシンプルで、初めての方でも迷わず進められるように設計されています。
ライセンスは1年ごとに更新が必要なため、継続利用を希望する場合は期限の確認も忘れずに行いましょう。
学生版のAutoCADの無料使用期限と更新方法
AutoCAD学生版は、一度申請すれば無制限に使えるわけではありません。基本的にライセンスは1年間有効で、引き続き利用するには毎年更新手続きを行う必要があります。また、卒業後は学生版の利用資格を失うため、別の対応が求められます。
この章では、ライセンスの更新方法と卒業後の注意点について見ていきましょう。
更新手続きの流れ
AutoCAD学生版のライセンスは、1年ごとの更新制です。学生としての在籍期間中であれば、何度でも更新申請が可能です。更新手続きを忘れると突然ソフトが使えなくなることがあるため、事前の準備が重要です。
具体的には以下の通りです。
- 有効期限が近づくと、Autodeskからメールで通知が届く
- 教育機関に在籍していることを再度証明する書類を準備する
- Autodeskアカウントにログインし、教育機関情報を再登録する
- 学生証や在学証明書をアップロードして申請する
- 承認後、ライセンスの有効期間がさらに1年延長される
このように、更新作業自体は初回の申請とほぼ同じ流れになります。書類の内容に不備があると承認が遅れる可能性があるため、事前に正確な情報を用意しておくことが大切です。
卒業後の対処法
学生版AutoCADは、あくまでも教育機関に在籍している期間のみ使用が認められているライセンスです。卒業や退学により学生の身分を失った場合、その時点で学生版の利用資格も終了します。ライセンスの期限が残っていても、自動的にアクセスできなくなる場合があります。
このように、卒業後は有料ライセンスへの移行が必要となるため、早めにプランを比較・検討しておくことが重要です。
もし具体的な料金やプラン内容を知りたい場合は、Autodesk公式によるAutoCADライセンスの無料見積もりサービスを利用してください。1年間ライセンスには、基礎レクチャー動画やトレーニングガイドなどの特典が付属しており、初めての方でも安心して導入できます。
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学生版のAutoCADまとめ
学生版AutoCADは、設計や製図のスキルを無理なく身につけるための強力な学習ツールです。
無料で本格的なCADソフトを使える機会は限られており、教育機関に在籍している今だからこそ活用すべき制度と言えるでしょう。申請手続きや利用条件、更新方法を正しく理解しておくことで、トラブルなくスムーズに利用を続けることができます。
AutoCADを通じて得られる技術や知識は、将来の進路やキャリアにおいて必ず役立つ財産となるはずです。