ITテクノロジーの進歩と普及が目覚ましいですが、そんな中で必要とされるスキルがコーディングです。Webサイトやツールを動かすために必要な裏方作業ですが、コーディングスキルを習得し、エンジニアとして働きたいと考えている方もいらっしゃることでしょう。
しかし、コーディングを学ぶといっても、何から手をつければいいのかわからない方も多いのではないでしょうか。
本記事では、コーディングスキルを習得したい方に向け、講座選びのチェックポイントやおすすめのコーディング講座を紹介します。講座選びの注意点やメリット・デメリットも解説していますので、講座選びの参考にしてみてください。
コーディングとは
コーディングとは、コンピュータを目的に合わせて動かすために、プログラミング言語を使用して指示を書く作業を指します。コーディングにより、Webページやアプリケーションの構造、デザインや機能が決まります。
コーディングのスキルを身につけると、Webコーダー・Webデザイナー・フロントエンジニア・アプリ開発者といった、コーディングを用いた職種に就職・転職できるようにもなり、キャリアの面でも選択肢が広がるでしょう。
コーディング講座選びのチェックポイント
未経験者は積極的に活用したいコーディング講座ですが、闇雲に講座を選べばよいというわけではありません。ここでは、以下の6つのコーディング講座選びのチェックポイントについて解説します。
- どのプログラミング言語を扱っているか
- 基礎から応用まで体系的に学べるカリキュラムか
- 料金と予算のバランスを
- サポート体制
- 無料説明会・体験授業の有無
- 教育訓練給付金制度が活用できるか
それぞれ見ていきましょう。
どのプログラミング言語を扱っているか
コーディング講座を選ぶ際、未経験者が最初にチェックすべきポイントは、どのプログラミング言語を扱っているかです。
分野・目的別のプログラミング言語を表にまとめました。
分野・目的 | プログラミング言語 |
Web開発 |
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アプリケーション開発 |
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システムプログラミング |
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データ分析 |
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関数型プログラミング |
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汎用言語 |
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新興言語 |
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上記の表を参考に、コーディング講座選びではカリキュラム内容を確認し、目的に合った言語を学べるか必ずチェックしましょう。
以下の記事では、「JavaScript」「PHP」「C++」について解説しています。併せてご覧ください。
基礎から応用まで体系的に学べるカリキュラムか
未経験者がコーディングを効率的に習得するには、基礎から応用まで体系的に学ぶことが大切です。以下の3つの段階で、体系的にカリキュラムが構成されているか確認しましょう。
- HTMLやCSSなどの基礎的なプログラミング言語の構文や概念を学ぶ
- JavaScriptやフレームワークなどの応用技術を学ぶ
- 実践的なプロジェクトを通して開発経験を積む
料金と予算のバランス
コーディング講座に投じられる予算に対し、料金のバランスが取れているかチェックすることも講座選びでは大切です。
コーディング講座の料金は数万円から数十万円までと幅広く、受講期間・カリキュラム・サポート体制などによって大きく変わります。加えて、入学金・教材費・ツール利用料など、講座によっては追加費用も考慮しなければなりません。
上記の要素を考慮しつつ、候補のコーディング講座の料金が予算内でまかなえるか確認しましょう。
サポート体制
コーディング未経験者は学習過程でつまずく場面が多いものです。そのため、どんなサポート体制が用意されているかチェックすることも、コーディング講座選びでは重要です。質の高いサポート体制があれば、未経験者も挫折することなく、コーディングを学びきることができるからです。
具体的には、質疑応答の仕組み、マンツーマンレッスンの有無、オンラインQ&Aの充実度などを確認しましょう。
無料説明会・体験授業の有無
コーディング講座との相性や質を見極めるなら、実際に講座を受けてみる方法が1番です。無料説明会・体験授業の有無をチェックし、講座を体験できる機会があるか確認しましょう。
無料説明会・体験授業では、授業の雰囲気や講師の指導スタイル、質疑応答や他の参加者の様子など、講座の公式ページを見ただけではわからない情報を得られます。
教育訓練給付金制度が活用できるか
教育訓練給付金制度は、厚生労働大臣が指定する教育訓練を修了した際に、教育訓練経費の一部が支給される制度です。
教育訓練給付金制度の概要を以下の表にまとめました。
一般教育訓練給付金 |
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特定一般教育訓練給付金 |
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専門実践教育訓練給付金 |
|
全国に約16,000の対象講座があり、コーディング講座も対象に含まれています。条件は以下になります。
- 受講の開始日の時点で雇用保険に1年以上加入している、もしくはしていた(専門実践教育訓練給付金は2年以上)
- 受講の開始日の時点で働いている、または離職して1年以内
- 前回の受講開始日以降、雇用保険に3年以上加入している
条件を満たしていればパート・アルバイト・派遣社員も給付の対象となります。
おすすめコーディング講座一覧
コーディングを学びたい方に向け、おすすめの講座を9つ厳選しました。最初に、各講座の価格、特徴、受講形式、学習時間、教材、教育訓練給付金の適用の有無について表にまとめましたのでご覧ください。
講座名 | 提供元 | 価格 | 特徴・ポイント | 受講形式 | 学習時間 | 教材・テキスト | 教育訓練給付金制度 |
1位 Python基礎セミナー講習 | ![]() ProSkilll |
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| 1講座6時間30分(2日間) | オンライン教材 | なし |
2位 DMM WEBCAMP | ![]() 株式会社インフラトップ |
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| オンライン形式 |
| オンライン教材 | 適用 |
3位 TechAcademy | ![]() キラメックス株式会社 |
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| オンライン形式 | 1コースあたりの学習時間目安は160~200時間 | オンライン教材 | 適用 |
4位 CodeCamp | ![]() 株式会社コードキャンプ |
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| オンライン形式 |
| オンライン教材 ※市販の参考書を購入する場合あり | 適用 |
5位 Schoo(スクー) | ![]() 株式会社Schoo |
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| オンライン形式 | 1回の生放送授業は60分~90分程度 | オンライン教材 | なし |
6位 侍エンジニア | ![]() 株式会社SAMURAI |
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| オンライン形式 |
| オンライン教材 | 適用 |
7位 インターネット・アカデミー | ![]() 株式会社インターネットアカデミー |
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| オンライン形式 |
| オンライン教材 | 適用 |
8位 ウズウズカレッジ | ![]() 株式会社UZUZ |
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| オンライン形式 |
| オンライン教材 | 適用 |
9位 ストアカ | ![]() ストリートアカデミー株式会社 | 1講座:1,000円~ |
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| 1回の講座は30分~数時間程度 | オンライン教材 ※講座による | なし |
1位 Python基礎セミナー講習
Pythonは、Webサイトやアプリケーション制作など、幅広い用途で使用されるプログラミング言語です。 Pythonで作られた構文は初心者でも学びやすく、コーディングでは最初に学んでおきたいプログラミング言語の1つでしょう。
セミナー名 | Python基礎セミナー講習 |
---|---|
運営元 | ProSkilll(プロスキル) |
価格(税込) | 27,500円〜 |
開催期間 | 2日間 |
受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
こちらのセミナーはPython初心者でも受講可能で、Pythonの基礎知識から応用までを実践学習を通して学べます。Pythonの環境構築など実務に活かせるスキルも習得できますので、Pythonを学びたい方にピッタリのセミナーだといえるでしょう。
2位 DMM WEBCAMP
引用:DMM WEBCAMP
DMM WEBCAMPは、基礎から応用まで学べるコーディング講座です。現役エンジニアによる24時間サポート体制が整っており、週2回の定期メンタリングで学習の進捗を確認できるため、コーディング未経験者が安心して学ぶことができます。
また、受講から8日以内であれば理由を問わず全額返金される8日間無条件返金保証や、早期学習修了時、未利用の学習期間分を返金してもらえる未利用期間返金制度が設けられている点も魅力でしょう。
3位 TechAcademy
引用:TechAcademy
TechAcademyは、オンラインでコーディングを学べる講座です。現役エンジニアが講師を務め、マンツーマンメンタリングと無制限の課題レビューで手厚くサポートしてくれます。自宅から好きな時間に学習できるため、忙しい社会人や学生でも隙間時間を活用できる点が大きな魅力でしょう。
コーディング講座では、HTML、CSS、JavaScript、PHPなどの主要なプログラミング言語を学べます。4週間から受講可能な短期集中コースもあり、効率的にスキルを習得可能です。
4位 CodeCamp
引用:CodeCamp
CodeCampは、365日朝7時から23時40分までコーディングを学べるオンライン講座です。通過率8%という狭き門をくぐり抜けた現役エンジニアがマンツーマン指導してくれ、個々の理解度に合わせたサポートが受けられるため、未経験者の疑問・不安を解消しながら講座を進められます。
講座には、10種類のコースと30種以上のカリキュラムが用意されており、WebデザインからHTML・CSS、JavaScriptまで幅広く学べる環境が整っています。
5位 Schoo(スクー)
引用:Schoo(スクー)
Schoo(スクー)は、月額980円という手頃な料金で、HTML・CSSといった基礎からコーディングまで幅広く学べる講座です。講座は、生放送形式になっており、リアルタイムで質問できる双方向の学習環境が整っている点が特徴でしょう。
講座は8,500本以上ものコンテンツがあり、受講者は目的に合った講座を選べます。コーディングだけでなく、マーケティングやビジネススキルなど多様な分野を学べるため、ITスキル全般を効率的に身につけたい方にも適しているといえるでしょう。
6位 侍エンジニア
引用:侍エンジニア
侍エンジニアは、マンツーマンの指導とオーダーメイドのカリキュラムが特徴のコーディング講座です。24時間質問できる仕組みや、200名の講師が定期的にチェックするQ&Aが設けられており、コーディング未経験者も安心して講座を進められます。
講座には、HTML・CSS、JavaScript・PHP・Ruby・Pythonなど、主要なプログラミング言語を学べるコースが用意されています。転職支援も行っており、未経験者の転職成功率99%という結果を出している点も魅力でしょう。
7位 インターネット・アカデミー
インターネット・アカデミーは、3万人以上の卒業生を輩出した、日本初のWeb専門スクールとして30年以上の歴史を持つコーディング講座です。授業は3つの形式が用意されており、ライブ授業・オンデマンド授業・マンツーマン授業の中から選択できます。
質疑応答の場が全コースに用意されているため、コーディング未経験者が不安を解消しながら講座を進められる点も魅力でしょう。
8位 ウズウズカレッジ
引用:ウズウズカレッジ
ウズウズカレッジは、マンツーマン指導でコーディングを学べるオンライン形式の講座です。ITスクール・CCNAコース・LinuCコース・Javaコースの4つのコースから目的に合わせて講座を選べ、全国どの地域からでも受講可能です。
講座以外の学習コンテンツも充実しており、動画・テスト・参考書が用意されているため、受講者がいつでも復習できる環境が用意されている点も魅力でしょう。
9位 ストアカ
引用:ストアカ
ストアカは、教えたい人と学びたい人をつなぐプラットフォームです。入会金や月額料金は不要で、教えたい人(講師)が用意した個別の講座を、学びたい人が購入する形式の講座です。
講座の価格がリーズナブルな点が特徴で、最安で1,000円から受講できる安さが魅力でしょう。コーディングを学べる講座も多く、例えば、HTML・CSSの基礎を学ぶ講座が3ヶ月で59,800円で提供されるなど、コスパ良く学ぶことができます。
コーディング講座選びの注意点
コーディング講座を選ぶ際は注意点を理解しておく必要があります。ここで紹介する3つの注意点は、どれも講座に申し込んだ後に後悔や挫折につながる可能性がありますので、しっかり押さえておきましょう。
- 実績と評判が良好か
- 経験豊富な講師が在籍しているか
- 学習スケジュールに無理はないか
それぞれ見ていきます。
実績と評判が良好か
実績では、卒業生の就職率や転職成功率、受講生の講座の継続率を参考にすることをおすすめします。就職・転職率の高さはカリキュラムの質を、継続率はサポート体制の質の参考になるためです。
評判については、公式サイトや口コミサイト、SNSなどで受講者からよせられた口コミをチェックしましょう。ポジティブな意見が多く、満足度の高い講座はカリキュラムや講師の質が良い可能性が高いため、参考になります。
経験豊富な講師が在籍しているか
コーディング講座の質に大きく関係しているのが、在籍する講師の経験値です。現場での実務経験が豊富な講師は、単なる知識だけでなく実践的なスキルや最新トレンドを教えられるため、学習効果が高まる可能性があるためです。
また、講師としての経験も大切な要素です。経験豊富な講師は、幅広いレベルの受講者に対応できる能力を備えているため、コーディング未経験者のペースに合わせた指導が可能です。
学習スケジュールに無理はないか
仕事・家庭・学業などと両立したい場合などは、コーディング講座の学習スケジュールに無理がないか確認しましょう。学習スケジュールに無理があるとストレスにつながり、学びの吸収を低下させてしまうためです。
学習スケジュールを組む際は、自分の集中力や学習ペースを前もって把握しておき、1日の受講時間やタイミングを決定しましょう。併せて、休息日や調整日なども設けて急なトラブルや体調不良に対応できる体制にしておくことも大切です。
コーディング講座のメリット・デメリット
ここでは、コーディング講座のメリット・デメリットについて見ていきます。
メリット
コーディング講座のメリットには、以下の7つがあります。
- サイト制作のコーディングの流れが分かる
- 挫折しにくい学習環境が整っている
- 疑問点をすぐに解決できる
- 効率的、段階的にコーディングを学べる
- 最新の技術やトレンドを学べる
- 転職やフリーランスなどのキャリアで有利になる
- オンライン講座で時間と場所を選ばず学べる
独学にはない学習環境がメリットとして大きく、学習効率が高まったり、挫折しにくいといった恩恵があるでしょう。
デメリット
コーディング講座のデメリットには、以下の6つがあります。
- 受講料がかかる
- 通学型の場合、通うのが面倒
- カリキュラムが固定化されており、学びに柔軟性がない場合がある
- 仕事・家庭・学業などとの両立が困難な場合がある
- 講師との相性が合わない場合がある
- カリキュラムが最新の技術やトレンドに対応できないことがある
総括すると、カリキュラムや講師と合わない可能性がデメリットに挙げられます。また、途中で辞めると受講料が無駄になってしまう可能性がある点もデメリットといえるでしょう。
コーディング講座の口コミ
最後に、本記事で紹介したコーディング講座に寄せられた口コミをご紹介します。
ProSkilll Python基礎セミナー講習に寄せられた口コミ
Python、AIともにどのように学習していけばよいか迷っていました。受講したことで、これから学習をどのように進めていけば良いかを掴めたのがとても大きかった。各ツールの使い方や各分野での実装方法の基本も学べ、実際に各方面に活用していこうとしたときに、かなりの時短になると思った。
TechAcademyに寄せられた口コミ
Webサイト制作ができるようになりたいと思ったので、WebデザインコースとWordPressコースのセットを受講しました。
2つのコースを通じて、企画、設計、デザイン、WordPressのカスタマイズ、PHPなどサイト構築における一通りのスキルを身につけることができ、簡単に日々の更新がしやすいWebサイトを構築することができます。
CodeCampに寄せられた口コミ
CodeCampは受講生の満足度が高いですし、朝から23時40分までレッスンがあるのも魅力でした。
加えて金額面でも2ヶ月で20万円程度というのは安いのかなと思ったのが決め手です。
侍エンジニアに寄せられた口コミ
事前に無料カウンセリングをしてくれた担当コンサルタントの印象がとても良かったです。金銭的な相談も含めて丁寧に対応してくれて、モチベーションを上げてくれるような話をたくさんしてくれました。
ウズウズカレッジに寄せられた口コミ
授業一つ一つが30分程度にまとめられており、理解しやすく、また隙間時間でも復習がしやすかった。
メンター、講師の先生ともにこちらの都合に合わせて面談時間を作ってくださり、気軽に学習面、就職面で相談しやすい雰囲気がある。
DMM WEBCAMP、Schoo(スクー)、インターネット・アカデミー、ストアカの口コミはありませんでした。
まとめ
テクノロジーの発展により、今後ますます必要とされるのがコーディングのスキルです。本記事では、コーディングを学べる講座を9選ご紹介し、講座選びのチェックポイントや注意点についても解説しました。コーディング講座は、目的に合ったプログラミング言語を扱っているかや、カリキュラムの内容と予算を踏まえ、最適な講座を選ぶようにしましょう。