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【2025】生成AIの活用事例10選!導入するメリットや注意点も解説

ChatGPTを筆頭に、生成AIの飛躍的進化が日々のニュースを賑わせています。
近年では、大手IT企業をはじめ、製造業など幅広い業界で生成AIの有効性が注目され、コンテンツ制作や顧客対応といった業務への導入が加速化してきました。

本記事では、生成AIを実際に導入している企業の活用事例を10選ご紹介します。
企業が生成AIを導入する際のメリットや注意点についてもお伝えするので、「生成AIの活用事例を参考にしたい」「生成AIの効果的な使用法を知りたい」という方はぜひ参考にしてください。

生成AIとは

生成AIは、テキスト、画像、動画など、多様なコンテンツを自動生成する技です。
生成AIの登場により、従来は人が行っていた創造的な作業が効率化され、時間とコストを大幅に削減できるようになりました。

生成AIは、時に人間では思いつかないような斬新なアイデアを提供するため、利用者の新たな表現創出を促すツールとしても活用されています。

生成AIでできること

生成AIの能力は日々進化し、多様なタスクに対応できるようになってきました。
以下は、生成AIでできる主なこと、およびその概要です。

生成機能内容
テキスト文章作成、翻訳、要約など
動画動画・アニメ作成、動画編集など
画像画像・イラスト作成、編集、加工など
音楽楽曲生成、編曲、BGM作成など
コードプログラムコード生成、コード補完、バグ修正など

生成AIは、文章のアイデア出しやビジネス文書やメールの作成、社内文書の自動生成(議事録、報告書)、検索ツールの代替など、使い方次第で可能性の幅が大きく広がります

生成AIは無料で使えるツールも数多くあります。
以下の記事は、文書や画像、動画、音楽などさまざまなジャンルの無料生成AIツールを紹介しているので、コスト効率が良い生成AIツールを探している方はぜひご一読ください。

【2024】無料生成AIサイトおすすめ12選!日本語対応・商用利用も解説

生成AIの活用分野

生成AIの進化に伴い、活用分野もさらに広がり始めています
以下に、具体的な活用事例を分野別にまとめました。

活用分野主な活用事例
自動車車両設計の効率化、新しいデザインの提案、自動運転シミュレーションのデータ生成
金融金融商品開発のアイデア、顧客ごとに最適化した金融アドバイス、不正検知
食品レシピの自動生成、食品の品質管理、サプライチェーンの最適化
販売自動応答AIによる顧客対応、FAQの自動生成、感情分析による顧客満足度向上
医療医療画像の解析、患者の診断支援、パーソナライズされた治療法の提案
教育学習教材の自動生成、個別の学習計画の作成、学生の質問への自動応答
建築インテリアデザイン、新しい素材の開発、都市計画のアイデア出し
ITプログラミングコードの自動生成、バグ修正、システムの自動化、データ分析

上記のように、生成AIは、創造的なアイデアを生み出し、あらゆる分野で私たちの生活や働き方を大きく変えています。次項では、生成AIを実際に導入した活用事例を見ていきましょう。

生成AIの活用事例10選

生成AIの活用事例10選

生成AIは実際にどのように活用されているのでしょうか?
以下では、生成AIの企業活用事例を10選お伝えします。

活用事例①セブンイレブン

最初の活用事例は、国内最大規模のコンビニエンスストアチェーンであるセブンイレブンです。

同社は、2024年春からOpenAIやGoogleの生成AIを導入し、セブンイレブンの全店舗の販売データ、およびSNS上の膨大な量の消費者の声を解析して新たな商品アイデアを創出。商品企画にかかる時間を従来の10分の1に短縮し、消費者のニーズに即した商品を迅速に市場に投入することを目指しています。

従来は、商品企画担当者が手作業で行っていた市場調査・トレンド分析を生成AIに一任できるため、作業効率化はもちろん、効率的かつ正確なデータに基づいた意思決定も実現しています。

活用事例②富士通と理化学研究所

次の活用事例は、富士通と理化学研究所の創薬技術開発です。
こちらの2社は、独自の生成AIを活用した新しい創薬技術の開発に向け、創薬開発の期間と費用の大幅な削減に成功しました。

生成AIを活用することで、電子顕微鏡画像から得られる膨大なデータから、タンパク質の立体構造とその変化を高速かつ高精度に予測するモデルを構築。これにより、従来の手法と比べて10倍以上のスピードで解析が可能となりました。

共同研究は2022年5月から2023年1月にかけて実施され、2023年10月からは富士通のAIプラットフォームを通じて、この技術の提供を開始しています。

参照:富士通

活用事例③ヤフーのPayPayフリマ

次に紹介するのは、ヤフーが提供するフリマアプリ「PayPayフリマ」の活用事例です。
2023年8月、PayPayフリマのiOS版に、OpenAIの生成AIを使った商品説明文作成機能のβ版が導入されました。

この機能では、出品者が商品名とカテゴリーを入力し、「AIからの提案」ボタンをタップするだけで、商品に合った説明文が自動生成されます。また、色やサイズ、使用状態などの追加情報を入力すると、より詳細で精度の高い説明文も作成可能です。

この機能は、ヤフーにとって初のOpenAI API活用事例であり、出品者の登録作業の効率化に大きく貢献しています。

活用事例④住友化学

続いて、住友化学の活用事例を紹介しましょう。同社は、2023年10月に生成AIを活用した自社版ChatGPTとして「ChatSCC」を開発し、約6,500名の全従業員を対象に運用を開始しています。

ChatSCCの事前検証では、200を超える業務パターンに対して最大50%以上の効率化を達成しました。今後は、蓄積された独自データと連携させ、特定分野に特化したAIモデルの構築も視野に入れ、さらなる効率向上と付加価値創出を目指しています。

本格運用後は、業務に適したプロンプト集や利用手引きを全従業員に提供し、初心者向け教育コンテンツを通じて社内での活用を促進していく予定です。

参照:住友化学

活用事例⑤三菱UFJフィナンシャル・グループ

次の活用事例は、三菱UFJフィナンシャル・グループです。
同社は、2024年10月、OpenAIと業務改革に向けた覚書を締結し、金融業務の高度化・効率化に向けた取り組みを開始しました。

現在、第一段階として、ChatGPT Enterpriseによる産業情報の収集、およびデータ分析の自動化、社員一人ひとりに合わせたAIの提供などの実証実験を実施しています。これらの取り組みを通じて得られた知見はOpenAIと共有し、技術の改善と新たな活用方法の発見に活用していく予定です。

参照:日本経済新聞

活用事例⑥三菱総合研究所

6つ目の活用事例は、三菱総合研究所です。

三菱総合研究所は2024年8月、生成AIを活用した自由記述式アンケートの分析手法の開発に成功しました。1,000件の回答に対して試行実験を行った結果、従来は4〜5時間かかっていた分析作業を10分以内に短縮することができました。

今回の実験では、GPT-3.5やGPT-4といった大規模言語モデルが用いられ、プロンプトの設計やモデルの選択によって、分析精度が大きく変動することも明らかになっています。今後は、アンケートの設計段階から分析、報告書作成まで一貫したプロセス変革を進めていく予定です。

参照:三菱総合研究所

活用事例⑦星野リゾート

続いての活用事例は星野リゾートです。
同社では、全施設の宿泊予約センターに寄せられるメール対応業務の効率化に生成AIを導入しました。

従来、1日最大400通に及ぶ問い合わせメールへの返信は、約5,000種類のテンプレートを使用していましたが、適切なテンプレートの選択負担が課題となっていました。

2023年11月から「KARAKURI assist」を導入し、2024年1月より全施設での展開を開始。テンプレート検索の効率化を実現しています。現在は「OMO」「BEB」など、星野リゾートの主要ブランドを中心にAI自動対応を展開中です。

参照:日経クロステック

活用事例⑧東京電力エナジーパートナー

次は、東京電力エナジーパートナーの活用事例です。
同社では、2,800人の従業員を対象に実施する年2回の組織診断アンケートの分析業務に生成AIを導入しました。

従来、1件あたり平均48文字、最大595文字の自由記述回答を人手で読み解き、カテゴリ分類や部門別の整理を行っていましたが、生成AIの導入により、回答の分類や要約、改善策の提案までを自動化。短時間で部署の課題を把握できるようになりました。

活用事例⑨ベルシステム24

続いて、ベルシステムの生成AI活用事例をご紹介しましょう。同社はテレフォンコンタクトセンターの大手企業で、2030年に予測される350万人の労働人材不足という社会課題に対応するため、生成AIを活用した業務改革に取り組みました。

実際の通話データを用いた実証実験では、対話内容の要約やFAQ作成、顧客の声の分析などを行い、オペレーターの作業時間を大幅に削減できることを確認。今後は業界・業種別の対話データを活用してAIの精度を高め、「ヒトとAIのハイブリッド型」コンタクトセンターの実現を目指しています。

参照:PR TIMES

活用事例⑩シーメンスとMicrosoft

最後の活用事例は、シーメンスとMicrosoftです。両社は、Microsoft TeamsとシーメンスのPLMソフトウェア・Teamcenterを連携させ、設計から製造までの一連のプロセスをAIで支援し、製造業の生産性向上に向けた取り組みを開始しました。

これにより、設計エンジニアと現場作業員の連携がスムーズになり、製品の開発期間が短縮。さらに、Azure OpenAI Serviceを活用することで、自然言語での指示に基づいた自動コード生成も実現しました。

このプロジェクトでは、双方の連携を通じて、製造業のデジタル化を加速させ、新たな製品開発推進を目指しています。

生成AIの活用事例からメリットを考察

生成AIの活用事例からメリットを考察

上記10社の具体的な活用事例から、生成AIが企業にもたらすメリットを考察してみましょう。

業務効率向上とデータ活用の拡大

三菱総合研究所のアンケート分析時間短縮、セブンイレブンの商品企画期間の大幅な短縮からは、生成AI導入により業務効率が向上し、生産性が高まっていることが明確になりました。

また、東京電力エナジーパートナーやセブンイレブンでは、膨大なデータを統合・分析し、新たな価値を創出し、データ活用の可能性を大きく広げています。

顧客コミュニケーションの効率化とパーソナライズ化

星野リゾートやベルシステム24の活用事例に見られるように、生成AIは顧客とのコミュニケーションを効率化し、よりパーソナライズされたサービス提供にも貢献しています。

顧客のニーズや行動をAIがリアルタイムに把握し、迅速かつ的確に対応することが、さらなる顧客満足度向上に寄与することも推察されました。

生成AIの導入は、業務効率化を促進し、イノベーション創出を加速させます。
データに基づいた迅速な意思決定は、競合他社との差別化、企業の持続的な成長にもつながるでしょう。

生成AIの活用事例から注意点を考察

生成AIの活用事例から注意点を考察

生成AIの活用事例から、以下の注意点が推察されます。

情報セキュリティ

三菱UFJやベルシステム24、星野リゾートのように、多くの顧客情報や社内機密情報を扱う企業活用事例からは、情報セキュリティ強化の重要性が見えてきます。

情報漏洩は、顧客の信頼失墜、ブランドイメージの低下、さらには法的責任といった深刻な事態を引き起こす可能性もあります。リスクを避けるためにも、多要素認証、アクセス権限の厳格な管理、暗号化など、高度なセキュリティ対策を導入しましょう。

評判リスク

セブンイレブンやPayPayフリマの活用事例のように、AIが生成したコンテンツや商品企画を活用する場合、出力内容の確認プロセス構築が不可欠です。

生成AIの情報は常に変化し、場合によっては信ぴょう性が薄い情報も含むので、企業の評判やブランドイメージに影響を与えないためにも、多角的な視点から内容を検証し、事実確認を行うことを心がけましょう。

著作権

生成AIが作成するコンテンツは、著作権問題を引き起こす可能性があります。
特に、既存のキャラクターや作品に類似した画像を生成した場合、著作権侵害となるリスクが高まります。

生成AIが作成したコンテンツの帰属先は基本的に生成したユーザーに帰属するので、プロンプトの内容などには十分注意を払いましょう。生成AIの著作権侵害の判断基準については以下の記事に詳しく解説しています。

【2024】生成AIコンテンツ著作権侵害の判断基準!著作権の最新事情についても解説

これらの課題に適切に対応し、生成AIを効果的に活用するために、文部科学省も生成AIに特化したセミナーの活用を推奨しています。専門的なセミナーで最新の知見と実務的ノウハウを学ぶことで、より安全で効果的なAI活用を実現できるでしょう。

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生成AIの活用事例についてまとめ

生成AIは大手企業でも積極的に活用され、今後活用範囲はさらに広がると予想されます。

生成AIの飛躍的な進化は、企業の競争力を高めるにも不可欠なツールとなってきました。
生成AIは便利なツールである反面、取扱いを誤ると著作権法違反などのリスクを伴います。

文部科学省も生成AIセミナーを開催するなど、国も生成AIの適切な活用法に注目しています。
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