Photoshopでの画像サイズ変更は、デザイン作業において必要なスキルです。
本記事ではカンバスサイズ、レイヤーサイズ、切り抜きツール、クリッピングマスクなど、さまざまな手法を解説します。Photoshopでサイズ変更のスキルを習得したい場合は、ぜひ参考にしてください。
Photoshopのサイズ変更一覧
Photoshopのサイズ変更機能は、目的に応じて使い分けることがポイントです。主な機能の特徴と用途を表にまとめました。
サイズ変更の内容 | 用途 |
カンバスサイズ | 画像の周囲に余白を追加したいとき |
レイヤーサイズ | 特定のレイヤーのみサイズを変更したいとき |
切り抜きツールによる画像サイズの変更 | 画像の一部を切り取りたいとき |
クリッピングマスクによる画像サイズの変更 | 特定の形に合わせて画像を切り抜きたいとき |
縦横比率を固定した画像サイズの変更 | 画像の比率を保ったままサイズを変更したいとき |
書き出し時の画像サイズの変更 | Web用に最適化した画像を作成したいとき |
上表のサイズ変更について、次の章から具体的な手順を解説していきます。
なお、Photoshopの基本的な使い方については、次の記事で解説しているので、あわせてご覧ください。
Photoshopでカンバスサイズを変更する方法
Photoshopのカンバスとは、画像を編集するエリアのことです。カンバスサイズを変更する際は、次の手順で進めてください。
- カンバスカラーの変更を行う
- カンバスサイズを画像に合わせる
以上の流れで、カンバスサイズを変更して編集の範囲を変えられます。
①カンバスカラーの変更を行う
まずはカンバスカラーを変更して、作品の雰囲気を変えてみましょう。具体的な手順は以下をご覧ください。
- メニューバーから「ウィンドウ」→「プロパティ」を選択
- プロパティパネルから「塗り」を選択
- カラーピッカーで好みの色を選択
カラーピッカーでは、「#00d3ff」のような明るい青色を選ぶと、爽やかな印象になるでしょう。この操作でデザインの背景色を自由に設定できます。
②カンバスサイズを画像に合わせる
カンバスカラーを選んだ後は、サイズの変更に移ります。ここでのポイントは、画像にぴったりとカンバスサイズを合わせることです。
- 対象の画像レイヤーを選択
- メニューバーから「イメージ」→「切り抜き」を選択
- Shiftを押しながらドラッグしてサイズを決定
以上の手順で画像の周りの余白が自動的に削除され、カンバスサイズが画像に合わせて調整されます。この方法を使えば、余分なスペースを気にせずに作業に集中できるでしょう。
Photoshopでレイヤーサイズを変更する方法
ここからは、Photoshopでレイヤーサイズを変更する方法を紹介します。
- スマートオブジェクトに変更する
- 自由変形でサイズを変更する
それでは、具体的な操作手順などを見ていきましょう。
①スマートオブジェクトに変更する
スマートオブジェクトは、画質を劣化させずにレイヤーサイズを変更できる機能です。スマートオブジェクトに変更するには、レイヤーを右クリックし、「スマートオブジェクトに変換」を選択します。これで、何度でもサイズ変更が可能になります。
元のデータを保持したまま編集できるので、後から調整する際に便利です。また、フィルターやエフェクトを非破壊的(元の画像データを上書きせずに変更)に適用できるメリットもあります。
②自由変形でサイズを変更する
自由変形は、レイヤーサイズを直感的に変更できる方法です。編集メニューから「自由変形」を選択するか、Ctrl+Tキー(MacではCmd+T)を押します。そうすると、レイヤーの周りに変形ハンドルが表示されます。これらのハンドルをドラッグすることで、サイズや形を自由に変更できます。Shiftキーを押しながら操作すると、縦横比を保ったまま変形できるので覚えておくといいでしょう。
参考:Adobeラーニング
Photoshopで切り抜きツールを使った画像サイズの変更方法
Photoshopで画像サイズの変更方法はいくつかあります。そのなかで、まずは切り抜きツールを使った画像サイズの変更方法を解説します。
- メニューから切り抜きツールを選ぶ
- ドラッグで拡大や縮小して変形する
この切り抜きツールを使った画像サイズの変更は、初心者でも簡単に実践できるので、ぜひ試してみてください。
①メニューから切り抜きツールを選ぶ
まずは、Photoshopのツールパネルから切り抜きツールを選択します。ツールパネルは通常、画面左側にあります。切り抜きツールのアイコンは、四角形の角を斜めに切った形をしています。
切り抜きツールを選ぶと、画像の周りに境界線が表示されます。この境界線が、新しい画像サイズの範囲を示します。境界線の内側が保持され、外側が削除される仕組みです。
②ドラッグで拡大や縮小して変形する
境界線が表示されたら、その四隅や辺をドラッグして調整します。マウスを使って、好みのサイズになるまで拡大や縮小を行いましょう。この操作は、実際の画像を見ながら行えるので、直感的にサイズを決められます。
満足のいく画像サイズが決まったら、Enterキーを押すと、そのサイズで画像が切り抜かれます。なお、元の画像より小さくなることが多いですが、必要に応じて拡大もできます。ただし、拡大しすぎると画質が低下する可能性があるので注意が必要でしょう。
参考:Adobe
Photoshopのクリッピングマスクで画像サイズを変更する方法
クリッピングマスクは、画像を特定の形状に合わせて表示する機能です。この機能を使えば、画像のサイズや形を自由に変更できます。元のデータを保持したまま編集できるので、後から調整も可能です。
クリッピングマスクを使って画像サイズを変更する手順は次のとおりです。
- 好みのサイズのシェイプを用意する
- クリッピングマスクをかけてサイズを変更する
①好みのサイズのシェイプを用意する
まずは画像を表示したい形のシェイプを作成します。四角形や円形、星形など、好みの形を選びましょう。このシェイプが、最終的な画像の形になります。シェイプのサイズを調整して、希望の大きさに設定してください。
②クリッピングマスクをかけてサイズを変更する
次に画像レイヤーをシェイプレイヤーの上に配置します。画像レイヤーを選択し、Alt(Option)キーを押しながら、レイヤーの境界線をクリックします。これでクリッピングマスクが適用されます。画像がシェイプの形に切り取られ、サイズが変更されるでしょう。
Photoshopで縦横比率を変えずに画像サイズを変更する方法
Photoshopで縦横比率を変えずに画像サイズを変更する際は、次の手順で進めてみてください。
- 画像を開いて解像度ダイアログを表示する
- 縦横比を固定してサイズを入力する
- 解像度を確認して変更を適用する
以上の手順により、画像品質を変えることなくサイズを調整できます。
①画像を開いて解像度ダイアログを表示する
始めにサイズを変更したい画像をPhotoshopで開きます。次に以下のいずれかの方法で解像度ダイアログを表示します。
- メニューバーから「イメージ」→「画像解像度」を選択
- ショートカットキーを使用(Mac:Option+Command+I、Windows:Alt+Ctrl+I)
特にショートカットキーを覚えると、作業効率が向上するでしょう。
Photoshopのショートカットキーについては、次の記事で詳しく解説しています。作業効率の向上を目指せるよう、ぜひご覧ください。
②縦横比を固定してサイズを入力する
解像度ダイアログが表示されたら、以下の点に注意してサイズを変更します。
- 「縦横比を固定」にチェックが入っていることを確認
- 幅または高さのいずれかに新しい数値を入力
- 単位(ピクセル、センチ、インチなど)を適切に選択
このように縦横比を固定することで、画像の歪みを防ぎます。
③解像度を確認して変更を適用する
最後に解像度の設定を確認します。用途に応じて適切な値を選びましょう。
- Web用: 72dpi
- 印刷用: 300dpi以上(~350dpiがおすすめ)
設定が完了したら「OK」をクリックして変更を適用します。これで縦横比を保ったまま画像サイズが変更されます。必要に応じて「元に戻す」機能を使って調整を重ねると、理想的なサイズに仕上がります。
参考:Adobe
Photoshopで画像の書き出しサイズを変更する方法
Photoshopで画像の書き出しサイズを変更する手順は次のとおりです。
- 「ファイル」→「書き出し」→「書き出し形式」を選択
- 画像サイズを指定(幅と高さを入力)
- ファイル形式を選択(JPEG、PNGなど)
- 画質を調整
- 保存先を指定して保存
この方法を使えば、大きな解像度の画像をWeb用に軽量化したり、印刷用に高解像度で出力したりできます。目的に合わせてサイズや画質を細かく調整できるので、効率的に高品質な画像を書き出せるでしょう。
Photoshopで複数の画像のサイズを一括で変更する方法
Photoshopで複数の画像のサイズを一括で変更できれば、作業効率が格段に上がります。複数の画像のサイズを変更する際は、アクション機能を活用すると便利です。
- アクションの記録を始める
- 画像を一枚開く
- アクションの記録をストップする
- アクションを実行させる
以上の手順でアクション機能を実行して複数の画像のサイズを変更します。
①アクションの記録を始める
まずは「ウィンドウ」メニューから「アクション」と進みアクションパネルを開きます。次に以下の手順でアクションの記録を開始します。
- 新規アクションボタンをクリック
- アクション名を入力(例:「画像サイズ変更」)
- 「記録」ボタンをクリック
以上の手順で、これから行う操作が記録される状態になります。
②画像を一枚開く
サイズ変更したい画像のなかから1枚を選んで開きます。その後、以下の手順でサイズ変更を行いましょう。
- 「イメージ」メニューから「画像解像度」を選択
- 希望のサイズを入力(例:幅を1000ピクセルに設定)
- 「OK」をクリック
なお、変更した画像を保存するのも忘れないようにしてください。「ファイル」メニューから「別名で保存」を選択し、適切な形式で保存しましょう。
③アクションの記録をストップする
サイズ変更と保存が完了したら、アクションパネルの「停止」ボタンをクリックしてください。これで、一連の操作が記録されます。停止ボタンをクリックすることで、アクションの記録が終了し、以降の操作は記録されなくなります。
また、記録したアクションを確認することで、正しく操作が記録されているかの確認が可能です。
④アクションを実行させる
記録したアクションを複数の画像に適用する際は、次の手順で進めてください。
- 「ファイル」メニューから「自動処理」→「バッチ」を選択
- 使用するアクションと対象フォルダを指定
- 「OK」をクリック
これで、指定したフォルダ内のすべての画像に同じサイズ変更が適用されます。大量の画像を扱う際、この方法を使えば作業時間を大幅に短縮できるでしょう。
Photoshopの基本を学ぶなら
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また、カリキュラムは実務で役立つ内容が盛り込まれています。具体的にはタイポグラフィやレイヤー操作、画像合成など、実践的なスキルを身につけられます。さらに、233ページのPDF教材も提供されるので、復習にも便利です。
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Photoshopサイズ変更のまとめ
Photoshopのサイズ変更機能は、目的に応じて適切な方法を選べます。カンバスサイズの変更、レイヤーサイズの調整、切り抜きツールの使い方など、さまざまな手法を習得することで、柔軟な画像編集が可能になります。また、アクション機能を活用すれば、複数の画像を一括で効率的に処理できます。
さらなるスキルアップを目指す場合は、次のセミナーの受講も検討してみてください。基本から応用までを短期間で学び、Photoshopを活用した編集スキルの向上が可能です。