AutoCADで作成された各種図面のデータをクライアントや現場担当者などに共有する際、役立つのがAutoCAD Viewerです。
この記事では、AutoCAD Viewerの基本情報をはじめ、主な種類や選ぶ際に押さえるべきポイントなどについて解説します。Viewerの導入を検討している人、興味を持っている人は、ぜひ最後までご覧ください。
AutoCAD Viewerとは?
AutoCAD Viewerとは、AutoCADで作成した図面を閲覧できるソフトのことです。AutoCADは建築や設計の分野で広く使われる高機能なCADですが、AutoCAD Viewerは閲覧や印刷などの機能に特化しており、図面作成や編集機能は省かれています。
Viewerがどのような分野で役立つのか、またどのように使用するかについては、以下で解説します。
AutoCAD Viewerが活躍している分野
AutoCAD Viewerは、以下のような分野で活躍しています。
- 建築・建設業界
- 製造業
- 土木業界
- 内装・インテリア業界
これらの分野でViewerが活躍している理由として、専用のソフトがいらない、図面の正確性を維持できる、情報をスムーズに共有できるなどがあげられます。
AutoCAD Viewerの使い方
AutoCAD Viewerにはブラウザ版とインストール版の2種類があり、前者は公式サイトからファイルをドラッグ&ドロップして開くだけで、後者はソフトを起動すればファイルを開けます。このように、Viewerの操作はシンプルなため、ファイルを見るだけなら特別なCAD操作の知識はほとんど必要ありません。
ただし、Viewerの機能や図面の知識を深めるために、一定の学習や慣れが必要になる場合もある点に注意してください。
AutoCAD Viewerでできること・活用メリット
AutoCAD Viewerには、次のようなできること、そして活用メリットが存在します。
- CADソフトなしで閲覧可能
- アクセスが容易
- コストの削減
それぞれの詳細は、以下のとおりです。
CADソフトなしで閲覧可能
AutoCADのようなプロフェッショナルなソフトは、すべての関係者が所有しているとは限りません。Viewerがあれば、AutoCADがなくても2D、3D図面のチェックが可能です。そのため、関係者間の情報共有もスムーズに行えます。
アクセスが容易
Viewerの種類によっては、PCのみならずタブレットやスマートフォンなど、さまざまなデバイスでツールを利用できます。そのため、社外にいるタイミングで共有されたファイルも、インターネット環境さえ整っていれば、素早く内容をチェックすることが可能です。
これによって、現場での確認作業や急な問い合わせへの対応力の向上が期待できます。
コストの削減
AutoCADは高度なツールのため、価格は高く設定されています。そのため、技術者以外の人が、ファイルを閲覧するためだけに導入するのは割に合いません。Viewerは基本的に無料で提供されているため、高価なAutoCADを購入することなくファイルの閲覧ができるようになります。
なお、AutoCADのコストに関する情報は過去記事でも取り上げているため、併せて確認してください。
AutoCAD Viewerの種類

AutoCAD Viewerと一口にいっても、次のようにさまざまな種類が存在します。
| 種類 | 開発元 | 特徴 | 料金 | インストール要否 |
| Autodesk Viewer | Autodesk | ブラウザベースで動作し、モバイル閲覧にも対応 | 無料 | 不要 |
| AutoCAD Web | Autodesk | 閲覧のみならず、Web上での簡易編集が可能 | 閲覧のみ無料 | 不要 |
| DWG TrueView | Autodesk | DWGのバージョン変換機能を有している | 無料 | 必要(Windowsデスクトップ) |
| Design Review | Autodesk | レビュー特化型のデスクトップツールで、マークアップや測定機能を搭載 | 無料 | 必要(Windowsデスクトップ) |
以下では、それぞれのAutoCAD Viewerの詳細について解説します。
Autodesk Viewer
Autodesk Viewerは、ブラウザベースの無料Viewerツールです。そのため、特別なソフトをインストールせずに各種ブラウザで使用できます。
定番のDWG形式はもちろん、DXF、RVT、STEPなど、多種多様なファイルに対応している点もAutodesk Viewer強みとしてあげられます。図面を編集機能は搭載されていませんが、図面の確認、フィードバックをするだけなら十分な性能を有しているといえるでしょう。
AutoCAD Web
AutoCAD Webは、Webブラウザとモバイルデバイスで動作するクラウドベースのCADツールです。無料版はファイルの閲覧機能のみ搭載されており、有料プラン(月額1,100円)の場合は2D作図をはじめとする編集機能の利用ができます。
そのため、閲覧のみならず既存の図面の軽微な修正や文字の編集、注釈の追加などを行いたい場合は、有料版を選択するとよいでしょう。
DWG TrueView
DWG TrueViewはPCにインストールして使用するタイプのViewerのため、オフライン環境でもファイルの確認ができます。そんなDWG TrueViewの最大の特徴は、DWGファイルのバージョンを変換できる点です。
新しいAutoCADで作成された各種ファイルは、古いAutoCADでは内容を確認できない場合があります。しかし、DWG TrueViewであれば、互換性のある古いバージョンに変換が可能です。そのため、相互運用性を確保したい場合に適しているツールといえます。
Design Review
Design Reviewは2D、3Dの設計図面やモデルに対して校閲、添削を行うことに特化した無料のデスクトップソフトウェアです。そのため、元のデータを変更せずに、その上に直接修正指示やコメントの書き込みができます。マークの方法は寸法線をはじめ、赤線やテキスト注釈などさまざまです。
また、軽量なファイル形式であるDWFを採用しているため、メールでの送信やインターネットを介した共有もスムーズに行えます。
AutoCAD Viewerを選ぶ際のポイント
AutoCAD Viewerを選ぶにあたって、次のようにいくつか押さえておきたいポイントが存在します。
- 利用環境
- 対応ファイル形式
- 搭載されている機能
- バージョンの互換性
- 共有と連携のしやすさ
それぞれのポイントの詳細は、以下のとおりです。
利用環境
AutoCAD Viewerには、主にWebブラウザで使用するクラウド型、そしてPCにインストールして使用するデスクトップ型の2種類が存在します。
クラウド型はソフトをインストールする手間がかからず、動作環境もPC、タブレット、スマートフォンなど幅広い点が魅力です。ただし、インターネットが必須、かつ処理速度はインターネット接続速度やサーバー不可に依存します。
デスクトップ型はバージョン変換機能に優れているほか、オフラインでも使用できる点が強みです。その一方で、動作環境はPCに限定されやすい、ファイルの共有がやや煩雑などのデメリットもあります。
それぞれのメリットとデメリットを理解したうえで、より自分の目的や環境に適したものを選択しましょう。
対応ファイル形式
DWGファイルだけを開ければよいのであれば、どのViewerでも問題はありません。しかし、RVTやIPT、SLDPRTなど、複数の形式のファイルが混在する環境であれば、都度ファイル形式を変換する手間を省くためにも、それらにも対応しているAutoCAD Viewerを選択する必要があります。
搭載されている機能
Viewerには、ツールごとに図面を見る以外にもさまざまな機能が搭載されています。代表的な機能として、ズーム、画面移動、レイアウト切り替え、マークアップ、距離や長さの計測などがあげられます。
業務の目的に適した機能が搭載されていれば、作業効率の向上が期待できるでしょう。
バージョンの互換性
AutoCADファイルは、ソフトウェアのバージョンが上がるたびに内部のファイル形式が更新される場合があります。最新のバージョンで作成されたファイルは古いバージョンで見られない可能性が高いため、現在使用している最も新しいAutoCADバージョンに対応しているか必ず確認してください。また、必要に応じて古いバージョンに変換できるか否かも確認しておきましょう。
共有と連携のしやすさ
共有と連携がしやすければ、意思決定スピードが向上します。そのため、Viewerを探す際はURLの共有ができるツールを選ぶのをおすすめします。メールにファイルを添付したり、インストールを依頼したりする手間を省くことが可能です。
AutoCAD Viewerの使い方を学ぶ方法

AutoCAD Viewerの使い方を学ぶ方法は、次の3種類が一般的です。
- 独学
- スクールに通う
- 通信講座を利用する
以下では、主なAutoCAD Viewerの勉強方法について解説します。
独学
独学のメリットとして、コストの安さがあげられます。独学の場合、勉強に必要なのはテキスト代のみで、学費や交通費などの諸経費がかかりません。
そして、自分のペースで勉強を進められる点もメリットです。仕事が忙しい社会人も、仕事と両立させやすいでしょう。
ただし、わからない部分があっても自力で調べて解決しなければなりません。また、自己管理ができない人は、効率的に勉強を進められないこともあります。
スクールに通う
自分で勉強のスケジュールを組めるか不安な人は、スクールに通うのもおすすめです。スクールに通うメリットとして、体系的に学べる点があげられます。
スクールでは最適化されたカリキュラムに沿って勉強を進められるため、効率的に必要な知識やスキルの習得が可能です。また、専門家のフィードバックを受けやすい、一緒に学ぶ人がいるためモチベーションを維持しやすいなどのメリットもあります。
ただし、独学よりも費用がかかる、スケジュールの自由度が低いなどのデメリットがあることも理解しておきましょう。
通信講座を利用する
ある程度勉強の自由度を確保したい場合は、通信講座の利用がおすすめです。通信講座は講義動画を利用して学ぶため、自分の好きな場所と時間に勉強できます。
また、講師や教室の直接的なコストを抑えられるため、費用も比較的安価な点もメリットです。なお、アウトプットの機会が少ない、インターネット環境が整っていない場所では講義を受けられないなどのデメリットも存在します。
AutoCAD基礎セミナー講習では、最速でAutoCADセミナーのプロになるためのカリキュラムを提供しています。実務に即した課題を基にトレーニングを行うため、実践的な知識やスキルの習得が可能です。
| セミナー名 | AutoCAD基礎セミナー講習 |
|---|---|
| 運営元 | GETT Proskill(ゲット プロスキル) |
| 価格(税込) | 29,500円〜 |
| 開催期間 | 2日間 |
| 受講形式 | 対面(東京・名古屋・大阪)・ライブウェビナー・eラーニング |
過去記事ではAutoCADのおすすめ講習を紹介しているため、併せて確認してください。
AutoCAD Viewerの導入は業務にプラスの効果をもたらす
ViewerはAutoCADによって作成したファイルを閲覧するためのツールで、種類によっては閲覧以外にもさまざまな機能が搭載されています。それらの機能を上手く使いこなせれば、業務効率の向上が期待できるでしょう。
なお、Viewerと一口にいってもそれぞれ異なる強みがあるため、導入目的を明確にしたうえでどのツールを導入するか決めましょう。


