2024年4月、画像編集ソフト・Photoshopに革新的なAI機能が追加されました。
この新機能を使えば、背景や色、スタイルを自在にデザインでき、クリエイティブな可能性が無限に広がります。
今回は、Photoshopの新AI機能の使い方を画像付きで詳しく紹介します。
テキストを入力するだけの簡単で魅力的なAI機能を、ぜひこの機会に体感してください。
Photoshopの新AI機能とは?
引用元:Adobe
Photoshopに搭載された新たなAI機能は、「生成塗りつぶし」と「生成拡張」の2つです。
Photoshopの新AI機能は、従来では難しかった複雑な背景の切り抜きや自然な風景の合成を自動で行い、作業の迅速化と品質向上に貢献しています。
Photoshopの新AI機能で使われているAdobe Fireflyは、テキストを入力するだけで高品質な画像やカラーパレットを生成するAIツールです。商用利用も可能で、100以上の言語に対応しています。
Photoshopの新AI機能①生成塗りつぶし
Photoshopの「生成塗りつぶし」は、AIが自動で最適な画像を生成する新機能です。
プロンプトに簡単な説明を入力するだけで、素材に合わせて最適な画像編集を行います。
例えば、不要な部分の削除や新しい要素の追加、背景の変更や部分的な修正などに対応。
人物や風景など複雑な画像も、AIが見やすくクリアに編集してくれるので、手軽に高品質な画像が誕生します。
Photoshopの新AI機能②生成拡張
Photoshopの「生成拡張」は、AIが自動で画像拡張する新機能です。
画像の境界線をクリック&ドラッグするだけで、背景拡大、縦横比調整をAIが自動対応。
ドラッグで生成された新しい領域は、元の画像と自然に馴染むよう、AIが緻密なパターンやテクスチャを生成します。新たな構図の創出にも役立つシームレスな画像拡張機能が、クリエイティブの可能性を大きく広げます。
Photoshopの新AI機能で使われているAdobe Firefly
Photoshopの新AI機能には、Adobe Fireflyが使われています。
Adobe Fireflyは、Photoshopの運営元であるAdobeが開発したAI画像生成ツールです。
Adobe Fireflyで生成された画像には、コンテンツ認証情報が自動的に付与されます。
コンテンツ認証情報とは、生成された画像の透明性を高め、信頼性を担保するための重要な情報です。
コンテンツ認証情報には、以下の情報が含まれています。
情報項目 | 内容 |
サムネイル | 生成された画像のサムネイル画像 |
発行者 | コンテンツ認証情報の発行元(Adobe Inc. ) |
コンテンツの概要 | Adobe生成AI使用による素材作成を示す告知 |
アプリ、デバイス | 素材作成に使用したAdobeアプリ、ハードウェアデバイスの記載 |
AIツール | 素材の生成に使用したAdobe生成AIツールを表示 |
編集、アクション | 素材を作成するために実行した編集、または処理アクションを記載 |
コンテンツ認証情報の保存先
Adobe Fireflyで生成された画像のコンテンツ認証情報は、以下の2つの場所に保存されます。
ファイル
ファイル添付コンテンツ認証情報は、生成されたファイルに直接添付されます。
これにより、情報はファイルと一緒に移動し、常に画像と結びついた状態になります。
公開コンテンツ認証情報クラウド
コンテンツ認証情報のコピーを、Adobeの公開コンテンツ認証情報クラウドに保存することも可能です。
これはオプションサービスですが、情報が失われるリスクを軽減できる、Verifyサービスを使ってコンテンツ認証情報を検索できるなどのメリットがあります。
PhotoshopのAI生成塗りつぶしの方法
それでは、PhotoshopのAI生成塗りつぶしの方法をステップごとに解説します。
AI生成塗りつぶしには、Adobe Creative Cloudのアカウントが必要です。
- Photoshopベータ版アプリにアクセス
- 対象指定
- プロンプトの入力
- カスタマイズ
- 画像生成
- 画像選択
ステップ①Photoshopベータ版アプリにアクセス
PhotoshopのAI生成塗りつぶし機能はAdobe Creative Cloudベータ版アプリにあります。
まずは、Adobe Creative Cloudのベータ版アプリを開きましょう。
以下のような画面が表示されたら、左サイドバーにある「アプリ」タブをクリックして「ベータ版アプリ」を選択します。
すると、インストールされているベータ版アプリの一覧が表示されます。
最後に、「Photoshop(Beta)」を開けば完了です。
ステップ②対象指定
Photoshopベータが開いたら、編集したい画像の領域を選択ツールで指定してください。
その後、コンテキストメニューから「生成塗りつぶし」を選びます。
ステップ③プロンプトの入力
続いて、プロンプトに生成したいオブジェクトやシーンの説明を入力します。
テキスト入力場所は以下の赤枠部分です。
説明テキストが思い浮かばない場合は、プロンプトに何も入力しないでください。
プロンプトが空白の場合は、AIが選択範囲の周辺から自動的に塗りつぶし候補を生成します。
ステップ④カスタマイズ
次は、生成AI画像をカスタマイズしましょう。
Photoshopベータ版アプリでは、以下の画像の様に「参照画像」からサンプル画像をアップロードできます。この参照画像を手がかりに、プロンプトに沿ったコンテンツが生成されます。
テキストプロンプトとの組み合わせはもちろん、参照画像のみを使うことも可能です。
ステップ⑤画像生成
その後、「生成」ボタンを押すと、テキストプロンプトと参照画像に基づいて複数の画像バリエーションがプレビューされます。
この際、元の画像は上書きされずに、新しく生成された画像はレイヤーパネルに別れたレイヤーとして追加されます。
ステップ⑥画像選択
最後に、複数の画像から気に入った画像を一つ選択しましょう。
これで、PhotoshopのAI画像生成塗りつぶしは完了です。
気に入ったAI画像がない場合は「類似を生成」を選ぶと、その画像に似た新しいバージョンの画像が追加生成されます。
PhotoshopのAI生成拡張の方法
Photoshopには、「AI生成拡張」という既存画像を拡張する機能も搭載されています。
以下では、PhotoshopのAI生成拡張機能の使い方を解説します。
- 切り抜き
- 画像生成
- プロンプト入力
ステップ①切り抜き
まずは、PhotoshopのAI機能で拡張したい画像を開き、ツールバーから切り抜きツールを選択します。
次に、画像の境界部分をクリック&ドラッグして拡張したい範囲を指定しましょう。
一般的な切り抜きサイズを適用したい場合は、コンテキストメニューから選べます。
ステップ②画像生成
範囲設定ができたら、次はコンテキストメニューの「生成」をクリックしてください。
すると、AIが元画像と自然に馴染むよう、新しい背景コンテンツを自動生成してくれます。
生成オプションを切り替えながら、気に入った背景を選んでいきましょう。
ステップ③プロンプト入力
PhotoshopのAI機能で特定の画像を生成したい場合は、プロンプトに「青空に浮かぶ白い雲」などと入力すれば、そのテキスト内容に沿った特定の背景が生成されます。
引用元:Adobe
プロンプトを変えながら、背景コンテンツを作り上げていきましょう。
テキスト内容は具体的に記述する方が、より理想に近い画像を生成します。
PhotoshopのAI機能で背景を拡張する理由は?
PhotoshopのAI機能で背景を拡張するのは、主に以下の4つの理由によります。
- ストーリー性の向上
- 理想の背景づくり
- 縦横比の自在な変更
- レイアウトの自由度アップ
背景を拡張する理由①ストーリー性の向上
PhotoshopのAI機能で背景を拡張すると、写真のストーリー性を高め、見る人の想像力を掻き立てます。
例えば、被写体が完璧でも、重要な背景が写っていない、フレーミングがうまくいかないといった場合、画像の魅力が半減してしまいます。
そんなときに、PhotoshopのAI拡張機能が効果的です。
画像に不足している部分を自然に補い、より豊かな世界観を表現できるようになります。
背景を拡張する理由②理想の背景づくり
Photoshopの背景拡張機能は、AIが指定コンテンツに合わせた理想的な背景を自動生成してくれます。美しい夜景、壮大な自然風景など、テキストの内容に合わせた画像生成が自由自在です。
背景の広がりにより、遠近感や立体感を表現し、奥行きと臨場感のある作品に仕上げることができます。
背景を拡張する理由③縦横比の自在な変更
Photoshopで背景を拡張すると、縦横比を自由に変更し、用途に合った画像を生成できます。
4:3の写真を16:9のSNS投稿用にサッと変換でき、またバナー広告に最適なサイズに調整するのも簡単です。
縦横比を変更しても、画像の品質は一切損なわれません。
AI技術による自動処理で、つぶれや歪みを発生させずに、美しく高画質な画像を生成します。
背景を拡張する理由④レイアウトの自由度アップ
Photoshopの背景拡張機能を使えば、AIの力で余白スペースをキャンバスに変えて、自由自在にテキストやグラフィックを追加できます。
AIによりデザインの幅が広がることで、訴求力抜群のアイキャッチや情報量豊富なレイアウト作成も簡単。写真やテキストをバランス良く配置し、情報を分かりやすく伝えられます。
PhotoshopのAI機能を学ぶ方法
AI技術の進歩とともに、PhotoshopにもAI機能が搭載されました。
AI機能を使えば、アイデアを元にリアルな画像を自動生成でき、作品のクオリティが一気に上がります。
しかし、AI機能の使い方をマスターしていないと、思うような結果が得られないこともあるでしょう。
そこで以下では、PhotoshopのAI機能をマスターする3つの方法を紹介します。
- 書籍を利用する
- ネットを活用する
- セミナーを受講する
PhotoshopのAI機能を学ぶ方法①書籍を利用する
PhotoshopのAI機能は書籍を使って学習できます。
画像編集ソフトの代名詞として広く知られるPhotoshopは、AIなどの新機能が追加されるたびに、新しい書籍が続々とリリースされています。
種類やレベルも豊富で、自分のスキルや目的に合った書籍を選べるのも魅力です。
書籍学習のメリットは、以下の通りです。
- PhotoshopAI機能を体系的に学べる
- 自分のペースで学習できる
- スキマ時間を活用できる
- 後から参照しやすい
一方、書籍学習は、不明点を相談できない、モチベーション維持が難しいなどの課題もあります。計画的な学習と自己管理力が問われるため、事前に自分自身に適しているかを確認しておきましょう。
PhotoshopのAI機能を学ぶ方法②ネットを活用する
PhotoshopのAI機能はネットを活用しても学べます。
書籍学習同様に、Photoshop関連のネット情報は数多くあり、AI機能が追加されたら即新機能を紹介する記事や動画がアップされます。
ネットで学ぶメリットを以下に挙げてみました。
- パソコンやスマホで手軽に学習できる
- 無料で利用できる
- 画像や動画で分かりやすく学べる
しかし、独学のため不明点を解決しにくい、モチベーション維持が困難という問題があります。その他、学習するサイトや動画によってクオリティに差がある、情報の信ぴょう性が薄いなども課題点です。
ネットを活用する際には、視聴回数や検索順位などをチェックし、多くの人が利用しているサイトや動画を選びましょう。
以下の記事では、Photoshopの機能について解説しています。
学習リソースの一つとしてぜひ活用してください。
PhotoshopのAI機能を学ぶ方法③セミナーを受講する
PhotoshopのAI機能は、セミナーを受講することで効率的に学べます。
セミナーでは、AIなどの最新機能を反映した講義を受けられる、疑問点をその場で解決できるというメリットがあります。
また、同じ目標を持つ仲間と交流できるため、モチベーション維持にも効果的です。
近年では、オンラインやeラーニングによるセミナーも増えてきています。
会場まで足を運ぶ必要がなく、自宅で気軽に受講できるため、忙しい人や地方に住んでいる人にもおすすめです。
最短でPhotoshopのプロへ!ProSkilllのPhotoshop基礎セミナー講習
ProSkilllのPhotoshop基礎セミナー講習は、Photoshopを効率的に学べる2日間の短期型セミナーです。
Photoshopの基礎から応用、最新AI機能までを幅広くカバーし、受講後にはPhotoshopのプロフェッショナルなスキルが身につきます。
講義前半は、画面構成の理解、レイヤー操作、色調補正、レタッチなどの基本操作を学び、後半では、人物修正、GIFアニメーション作成、幻想的アート合成など、実践的な技術まで網羅。
受講形式は会場とオンラインで、一人ひとりのニーズに合わせて多様な学習スタイルを提供しています。
効果的なプロンプト入力には!ProSkilllの生成AIセミナー
PhotoshopのAI機能をうまく使いこなすためには、効果的なプロンプト入力が欠かせません。
「なかなかイメージ通りの画像が生成されない」「PhotoshopのAI機能を使っても作業が効率化しない」という場合は、まず生成AIの仕組みと上手な使い方を知る必要があります。
ProSkilllの生成AIセミナーは、2日間で生成AIの仕組みからプロンプトエンジニアリング(命令、指示、質問の仕方など)AI画像生成の方法、生成AIのリスクや料金まで幅広く学べます。
受講形式は2種類(会場、オンライン)あるため、自由なスタイルで学習したい方にも最適です。
他にも、Photoshopのおすすめ講座はいくつもあります。実践的なテクニックを学べる講座もあるので、Photoshopのスキルアップにもおすすめです。
Photoshopのおすすめ講座については以下の記事で詳しく解説しています。
Photoshopの新AI機能についてまとめ
Photoshopに搭載されたAI機能は、クリエイティブの可能性を広げる魅力的なツールです。テキストをプロンプトに入力するだけの簡単操作で、既存の画像を驚くほど美しく加工できます。
かし、AI機能を使いこなすためには、プロンプトの書き方や細かい調整など、AI機能を最大限に活用するための基本的な知識が必要です。
ProSkilllのPhotoshop基礎セミナー講習は、2日間という短期間で効率的にPhotoshopのAI画像生成機能を習得できます。「PhotoshopのAI機能を最速マスターしたい」という方は、以下の公式ページでスケジュールをチェックしましょう。
「生成AIの仕組みを学び、プロンプトをうまく入力してイメージをうまく表現したい」という方は、ProSkilllの生成AIセミナーがおすすめです。生成AIの上手な使い方を学習し、納得の画像を生成できる技術を学べます。