運行管理者として活躍するためには、資格取得と講習の受講が欠かせません。
この記事では、運行管理者になるためのステップから、各社が提供する運行管理者講習の特徴、日程、料金を比較し、あなたに最適な講習を見つけるお手伝いをします。
また、講習を受けない場合のリスクや法的な影響についても解説しますので、確実なキャリアアップを目指す方は必見です。
運行管理者になるためには
運行管理者は、輸送の安全確保において重要な役割を担う専門職です。運行管理者になるためには、資格取得が必要であり、そのための試験に合格する必要があります。
この章では、運行管理者の具体的な役割や資格取得の条件、試験の概要と合格率について見ていきましょう。
運行管理者の役割とは?
運行管理者は、事業用自動車の運行に関わる総合的な管理責任を負う専門職です。
具体的には、ドライバーの勤務状況の把握や適切な指導、運行計画の策定、安全運転のための指導教育、さらには車両の点検整備状況の確認など、多岐にわたる業務を遂行します。
また、運行中に発生する様々なトラブルや緊急事態に迅速に対応し、輸送の安全を確保することが求められます。さらに、法令遵守も重要な責務の一つであり、道路交通法や労働基準法に基づいた管理を徹底しなければなりません。
運行管理者資格の取得条件
運行管理者資格を取得するためには、主に「国家試験に合格すること」と「一定の条件を満たすこと」という2つのルートがあります。国家試験を受験するには、まず1年以上の実務経験を積むか、実務経験に代わる講習を修了している必要があります。
一方で、5年以上の実務経験があり、基礎講習を修了している場合には、試験を受けずに資格を取得できるため、長期間にわたり業務に従事してきた方に適しているでしょう。
運行管理者試験の概要
運行管理者試験は、年に2回実施される国家資格試験で、CBT試験形式で行われます。
試験内容は、主に法令に関する知識、安全管理に関する知識、運行計画の立て方、事故時の対応策など、運行管理に必要な広範な分野をカバーしています。問題は複数の選択肢から正解を選ぶ形式が主であり、全体の60%以上の得点を取ることで合格となります。
また、試験には一般貨物自動車運送事業者向けと、旅客自動車運送事業者向けの2種類があり、受験者は自分の業務に応じた試験を選択する必要があるでしょう。
運行管理者の合格率
運行管理者試験の合格率は、例年30%から40%程度とされており、決して簡単な試験ではありません。合格率が低めである理由は、出題範囲が広く、専門的な知識を求められるためです。特に、法律に関する問題や、実務に即したシナリオ形式の問題が受験者を苦しめる要因となっています。
そのため、試験対策としては、運行管理に関する基礎知識の習得に加えて、過去問題を繰り返し解くことが効果的です。また、運行管理者資格に加えてプログラミングスキルを身につけることで、運行管理業務の自動化やデータ分析が可能になり、業務効率を飛躍的に向上させることができます。
プログラミングスクールの受講により、ITリテラシーが高まり、運輸業界でのキャリアの幅をさらに広げることができます。プログラミングスクールについて詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
運行管理者講習とは?
運行管理者講習は、運行管理者として必要な知識とスキルを習得するための重要な研修プログラムです。運行管理者資格を取得した後も、定期的に講習を受けることが法律で義務付けられており、運行管理の現場で適切に職務を遂行するために欠かせないものです。
この章では、運行管理者講習の目的や講習内容、受講対象者、修了後の流れについて解説します。
運行管理者講習の目的
運行管理者講習の目的は、運行管理者としての専門知識や法令に基づく業務の実践力を強化することです。
具体的には、ドライバーの健康管理や過労運転の防止、事故時の対応策など、運行管理に不可欠な知識と技術を体系的に学びます。講習では、最新の法令や業界動向も取り入れられ、運行管理者が常に最新の知識を持って業務に当たることが求められるでしょう。
また、法令違反による罰則や業務改善に関するケーススタディも行われ、実務に即した実践的な内容が提供されます。
基礎講習と一般講習の違い
運行管理者講習には、下記の2種類の講座があります。
- 基礎講習
- 一般講習
それぞれの講習には異なる目的と内容があり、運行管理者としての役割や経験に応じて受講が求められます。ここでは、基礎講習と一般講習の違いについて詳しく解説します。
基礎講習
基礎講習は、運行管理者として初めて選任される人や、これから運行管理者資格を取得しようとする人を対象としています。講習では、運行管理者として必要な基礎的な知識やスキルを体系的に学びます。
内容としては、運行管理に関する法令、安全運行の基本、ドライバーの健康管理、事故発生時の対応など、運行管理者としての基盤を築くための重要な項目がカバーされます。受講後には、運行管理者試験の受験資格を得ることができ、運行管理者としてのキャリアの第一歩を踏み出すための必須講習です。
一般講習
一般講習は、すでに運行管理者として選任されている人を対象に行われる定期的な講習です。講習では、運行管理者としての最新の知識やスキルを更新し、業務を円滑に遂行するための実践的な内容について学びます。具体的には、最新の法令改正、安全管理の新しい手法、過去の事故例に基づくケーススタディなどが含まれます。
一般講習は2年ごとに受講することが法律で義務付けられており、これを怠ると法的な罰則や業務上の支障をきたす可能性があるため、継続的な受講が重要です。
基礎講習の受講対象者
運行管理者基礎講習の受講対象者は、事業用自動車の運行に関する業務に従事しており、将来的に運行管理者としての役割を担う予定の人です。また、運行管理者資格を取得するためには、基礎講習を修了することが法的に義務付けられているため、資格取得を目指すすべての受験者にとって、講習は必須です。
さらに、新たに運行管理者を目指す方だけでなく、運行管理者の補助者として業務をサポートする予定の方も、講習を受講することが推奨されています。
基礎講習の内容とカリキュラム
運行管理者基礎講習の内容とカリキュラムは、運行管理者としての基本的な知識とスキルを網羅的に学びます。カリキュラムには、運行管理者としての役割と責任、法令遵守に関する基本的な事項、ドライバーの健康管理や過労防止のための具体的な手法、事故発生時の対応策などです。
特に、運行計画の立案や点呼の実施方法、運行記録の管理など、実務に直結する知識が提供されます。また、講習では事例を用いたケーススタディも行われ、受講者が実際の現場で直面する可能性のある課題に対する解決策を学ぶことができます。
基礎講習修了後の流れ
運行管理者基礎講習を修了すると、「基礎講習修了証」が発行されます。基礎講習修了証は、運行管理者試験の受験資格を得るために必要不可欠な書類で、修了証を受け取った後は、運行管理者試験に申し込み、合格することで正式に運行管理者資格者証を取得できます。
また、運行管理者資格に加え、MOS資格を取得することで、運行管理だけでなく、データ管理や報告書作成のスキルも高められ、業務の効率化と精度向上が期待できます。両方の資格を持つことで、職場での信頼性が高まり、キャリアの選択肢がさらに広がります。詳しく知りたい方は、下記をご覧ください。
また、MOSについて興味がある方は、ProSkillのMOS対策短期集中講習がおすすめです。
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2024年の運行管理者基礎講習の日程と受講料
運行管理者基礎講習は、資格取得を目指す方にとって非常に重要なステップです。運行管理者としての責務を果たすために必要な知識とスキルを習得するための講習は、国家資格を取得するための必須の過程となります。
この章では、基礎講習の日程や受講料について見ていきましょう。
2024年の運行管理者基礎講習の日程
2024年の運行管理者基礎講習は、全国各地で開催されます。日程は地域や開催機関によって異なりますが、通常は複数回にわたって実施されます。講習は平日や週末を利用して行われ、3日間にわたる集中講義形式で実施されることが一般的です。
人気のある地域や時期には定員が早く埋まることがあるため、希望の日程を確保するためにも、早めに申し込みを行うことをおすすめします。
運行管理者基礎講習の受講料
2024年の運行管理者基礎講習の受講料は、主催機関や地域によって異なりますが、一般的には8,000円から15,000円程度とされています。
受講料には、教材費や施設使用料、講師の指導料が含まれており、一部の講習では追加のテキスト代が発生する場合もあります。
運行管理者講習のおすすめ3選
運行管理者講習は、運行管理者として必要な知識とスキルを習得するための重要な講習です。複数の機関がこの講習を提供しており、それぞれに日程、料金、講習内容に特徴があります。
以下に、自動車事故対策機構(NASVA)、オートライフセンター、ヤマト・スタッフ・サプライの運行管理者講習について比較してみました。
講習機関 | 日程 | 受講料 | 特徴 |
---|---|---|---|
自動車事故対策機構(NASVA) | 3日間 | 8,900円 | 全国各地で開催。受講後、実務経験に代替可能 |
オートライフセンター | 3日間 | 12,800円 | 実務に直結、試験対策に強い。多摩地域を中心に開催 |
ヤマト・スタッフ・サプライ | 3日間 | 8,900円 | 全国対応。対面講習と出張講習を提供。修了証明書を即日発行 |
各講習機関はそれぞれ独自の特徴を持っており、受講者のニーズに応じた講習が提供されています。以下では、自動車事故対策機構(NASVA)、オートライフセンター、ヤマト・スタッフ・サプライの各講習について、それぞれの特徴や内容を詳しく見ていきます。
自動車事故対策機構(NASVA)の運行管理者講習
自動車事故対策機構(NASVA)の運行管理者講習は、全国各地で開催される公式の講習であり、特に信頼性の高い内容が特徴です。NASVAの基礎講習は、運行管理者として必要な基礎知識を習得することを目的としており、3日間にわたる集中講義形式で行われます。
講習内容は法令遵守、安全運行管理、事故防止策など幅広くカバーされており、受講料は8,900円(税込)です。NASVAの講習は全国各地で開催されるため、地域によっては参加しやすい点も魅力です。
オートライフセンターの運行管理者講習
オートライフセンターは、東京都を拠点に運行管理者講習を提供しており、実務に直結した内容が特徴です。同センターの基礎講習は、3日間にわたり実施され、受講料は12,800円(税込、教材費込み)と設定されています。
講習は、羽村市産業福祉センターや東京都トラック協会多摩支部などで行われ、講義時間は午前10時から午後4時45分までと充実した内容です。オートライフセンターの講習は、運行管理者試験の試験対策としても有効です。また、講習日程が幅広く設定されているため、忙しい方でも参加しやすいのが魅力です。
ヤマト・スタッフ・サプライの運行管理者講習
ヤマト・スタッフ・サプライは、運行管理者を目指す方や運行管理者の補助者を対象にした基礎講習を提供しています。講習は3日間にわたり行われ、合計約16時間のカリキュラムです。
講習内容は、自動車運送事業に関する法令、道路交通に関する法令、運行管理の業務、自動車事故防止策など、運行管理者として必要な知識を網羅的に学べます。
受講料は8,900円(税込)で、東京、名古屋、大阪、福岡などの主要都市で定期的に開催されています。また、ヤマト・スタッフ・サプライは対面での講習だけでなく、出張講習も実施しており、DVDを使用した講義も選択可能です。