コンテンツ制作と業務効率化の面で生成AIが急速に普及しています。コンテンツ生成のジャンルも種類が多く、どのツールの選べばよいか分からないですよね。そこで、本記事では生成AIの種類とおすすめのツールを紹介します。
生成AIとは?
生成AIとは、大量のデータを学習して新たなコンテンツを生み出すAIのことです。大きな特徴は、専門スキルがなくても高品質なコンテンツを制作できることです。多くのツールではアルゴリズムの改良と学習を重ねており、プロも舌を巻くセンスでコンテンツを生成してくれます。
また多くのコンテンツは数十秒から数分程度で生成が終わるため、現場の生産性が改善された事例も増えています。
生成AIの種類一覧
下の表のように生成AIで制作できるが多様化しています。
生成AIの種類一覧 | 概要・特徴 |
文章生成AI |
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画像生成AI |
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動画生成AI |
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音声生成AI |
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音楽生成AI |
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漫画生成AI |
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イラスト生成AI |
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コード生成AI |
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生成AIで代表的な機能が文章作成で、2022年に誕生したChatGPTが記憶に新しいでしょう。人間と対話するように回答してくれる点で人気を集め、世界中でユーザー数が急増しました。その後、生成AIは画像や動画、音声、プログラミングなど多様なコンテンツ生成に活用れています。
多くのツールが専門知識スキル・知識不要で利用でき、生成も数十秒から数分で終わるケースも珍しくありません。
主な生成AIツール一覧
主な生成AIツールは下の表の通りです。それぞれの特徴について詳しく解説します。
AIのタイプ | ツール名 | 特徴 | 料金 |
文章生成AI | ChatGPT |
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Claude |
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SAKUBUN |
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QuillBot |
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画像生成AI | Midjourney |
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Canva |
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Adobe Photoshop |
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(7日間の無料体験実施) | |
Poly |
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音声生成AI | コエステーション |
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音楽生成AI | SOUNDRAW |
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動画生成AI | Sora |
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Make-a-Video |
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コード生成AI | Amazon CodeWhisperer |
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AI プログラマー |
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複数の生成タイプ | Google Gemini |
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Microsoft Copilot |
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文章生成AI
文章生成AIは業界、企業を問わず幅広く導入されています。おすすめの主なツールは以下の通りです。
- ChatGPT
- Claude
- SAKUBUN
- QuillBot
ChatGPT
引用:ChatGPT
ChatGPTはOpenAIが開発した生成AIツールで、2022年の11月のリリースからわずかに2か月でユーザー数が1億人を突破しました。人と会話するように質問を返してくることで人気を集め、豊富な学習データを元に複雑な表現も可能になりました。
機能面の改修も進み、情報の精度向上や出力形式(表や画像など)の多様化も実現しています。資料作成や文章の添削、対話のシミュレーションなどさまざまなシーンで活用できます。
Claude
引用:Claude
Claudはアメリカのスタートアップ「Anthropic」が開発した生成AIで、大きな特徴はAPI連携が可能なことです。APIとは、アプリやソフトウェア同士でやり取りするためのインターフェースのことです。ClaudにおいてもAPIを使ってインターネット、データベースのデータに基づく回答生成などを実現できます。
チャットツールのSlackとも連携できるので、チャットボットの開発や議事録作成の省力化も期待できます。
SAKUBUN
引用:SAKUBUN
SAKUBUNはAI事業を展開するNOVELが開発した文章生成AIツールです。SEO対策に特化した記事作成を得意としており、見出し作りから記事作成までの所要時間が5分程度で完了します。想定読者や文章のテイストも調整できるため、オリジナリティを損なわない記事作成を実現できます。
QuillBot
引用:QuillBot
QuillBotは、オンライン学習プラットフォーム「Learneo」で利用できる生成AIで、英文添削に特化しています。要約や文法ミスに加え、パラフレーズを用いた要約、盗作チェック、参考文献・引用作成まで行えます。Google ChromやMicrosoftと連携できるため、普段の英文作成の延長で利用できるのもポイントです。
画像生成AI
一口に画像生成AIと言っても、生成コンテンツのテイストや付属機能はさまざまです。おすすめの画像生成AIを以下にまとめました。
- Midjourney
- Canva
- Adobe Photoshop
- Poly
Midjourney
引用:Midjourney
Midjourneyは、ジェスチャー入力技術の開発者の創業企業が手掛けた画像生成AIです。アメリカのコロラド州のアートイベントで、Midjourneyで優勝作品を制作したことから話題を呼びました。解像度の指定や別候補の提示もボタン一つで実行できるため、アイデアの練り直しも迅速に進められます。
Canva
引用:Canva
Canvaはオーストラリア発祥のデザインソフトウェアで、2023年時点でユーザー数は全世界で月間1億人を超えています。画像生成AIも利用でき、写真、アニメ、水彩画などジャンルに合わせた画像を自由に制作できます。日本語でのプロンプト入力も可能なため、操作面で迷うことがないのも魅力です。
また、画像への文字挿入やデザインの共有機能も搭載。キャッチコピー付きのバナーや図解作成においてオリジナリティを追求できるでしょう。
Adobe Photoshop
Adobe PhotoshopはAdobe社が開発した画像編集ツールで、レタッチやオブジェクトの追加・削除、描画などデザインに欠かせない機能が充実しています。AI機能を利用すると、オブジェクト同士の自然な合成や切り抜き、不足部分の拡張も自由に実現できます。
写真やイラストなど多様な画像で応用が利くので、手軽に素材をアレンジしたい企業にぴったりです。
Poly
引用:Poly
Polyは3DCGに強みを持つ生成AIで、多様な3Dテクスチャーを制作することができます。上の画像のように類似した画像からテイストや色合いの異なる3Dモデルを大量生成でき、ファイルから素早く抽出することが可能です。
コミュニティライブラリからの検索機能も付いているので、バラエティ豊かな3D画像を得られるでしょう。
音声生成AI
音声生成AIでは、単に文章を読むだけでなく声質や抑揚などを再現したツールも誕生しています。ここでは代表的な音声生成AIを紹介します。
コエステーション
引用:コエステーション
コエステーションは、オリジナル音源でテキストを読み上げる生成AIです。自分や身近な人だけでなく登録された著名人の声も利用できるのが人気の秘密です。文章に合わせて話す速度や声の高さ、怒りや悲しみなどの感情表現をレベル分けできるため、人間味のある読み上げができるでしょう。
音声データはクラウドに保存できるので、他者との共有にも便利です。
音楽生成AI
近年は音データを活用して作曲できる生成AIにも注目が集まっています。ここでは、特に高品質な音楽を作曲できる生成AIを紹介します。
SOUNDRAW
引用:SOUNDRAW
SOUNDRAWは音楽特化の生成AIで、曲調や曲の長さ、テンポなどのパラメーターを指定すると作曲できます。生成した曲は少量利用でき、動画のBGMやゲーム実況など多様なコンテンツ配信で活用できるでしょう。
「YouTubeにBGMを付けたいが楽器を演奏できない」「オリジナリティのある曲を作りたい」という方におすすめです。
動画生成AI
動画制作の現場でも、業務の生産性向上を目的に生成AIが普及しています。おすすめの主な動画生成AIは以下の通りです。
- Sora
- Make-a-Video
Sora
引用:Sora
SoraはOpenAIが開発した動画生成AIで、文章、画像、動画を元にオリジナルのムービーを制作できます。特に静止画像から生成できるアニメーションに定評があり、風景写真と雲の流れを組み合わせてダイナミックな演出が可能です。
生成した動画はウォーターマークという独自のラベリングで所有者情報、コンテンツの出所を証明できます。そのため、権利主張の面でも有利に動けるでしょう。
Make-a-Video
引用:Make-a-Video
Make-a-VideoはFacebookを運営するMeta社が開発した動画生成AIです。テキストや画像のコンテキスト、素材動画からオリジナルの動画を制作できます。
単に指示通りに動画を作るだけでなく、時間の流れや物の動きを踏まえた動画を生成できるのが強みです。コンテンツに反映すべき特性やクオリティも考慮されるため、よりニーズに沿った動画を制作できるでしょう。
コード生成AI
生成AIはプログラミングでも活用が進んでいます。設計書や言語を指定すればコードを生成してくれるため、システム開発の生産性を大きく向上させられるでしょう。代表的なコード生成AIは以下の通りです。
- Amazon CodeWhisperer
- AI プログラマー
Amazon CodeWhisperer
Amazon CodeWhispererはAmazonが提供するコード生成AIで、必要な機能をコメントすると要望に応じたコードを提案してくれます。場合によっては複数案提示してくれるため、実装の方向性にも幅を持たせることができます。
書いたプログラムのセキュリティチェックも可能で、脆弱性を残さない開発も可能です。
AI プログラマー
引用:AIプログラマー
AIプログラマーは無料のプログラミングツールで、上の画像のようにプログラミング言語と要件を入力すると簡単なコードを生成してくれます。コメントも出力されるため、コードごとの役割を把握できるのもポイントです。
ただし、複雑なコード生成は難しいので、初学者の補助ツールとして活用すると良いでしょう。
複数生成タイプ
1つの生成物に特化したAIが主流ですが、いまでは動画や文章生成など複数の機能を有するAIも普及しつつあります。数種類のコンテンツを制作できる主な生成AIは下の通りです。
- Google Gemini
- Microsoft Copilot
Google Gemini
Google Geminiは2023年にGoogleが開発した生成AIで、音声、動画、文章、画像をインプットするとオリジナルの文章、画像を生成できます。検索エンジンの強みを生かした推論機能も強化され、金融や化学などの分野で研究、調査が加速するでしょう。
Microsoft Copilot
Microsoft CopilotはMicrosoftが開発した生成AIで、Microsoft 365との連携を得意としています。そのためWord上の文書作成補助やファイルデータを元にしたPowerPointのスライド作成、チャットの指示によるデータの図式化などさまざまな業務を省力化、自動化できます。
生成AIを選ぶ際のポイント4つ
ここでは生成AIツールを選ぶポイントを4つ紹介します。
- 目的に合うものを選ぶ
- 利用料金を確認しておく
- 日本語に対応しているか確認する
- サポートの有無を確認する
①目的に合うものを選ぶ
どれだけ高性能なツールを使っても、目的に沿ったものでなければ思うような成果を得られません。下記のように生成AIツールを使う目的を明確にしましょう。
- 議事録・資料の作成に時間がかかるので効率化したい
- クリエイティブな広告を作りたいが人件費に限りがあるので生成AIで代用したい
- ソフトウェアの実装を省力化して上流工程に注力したい
目的が具体化していれば、求める機能や費用対効果もはっきりします。
②利用料金を確認しておく
生成AIツールは無料版と有料版があり、予算と求める機能に応じて選ぶ必要があります。
無料版は文字通りコストはかかりませんが、使える機能に制約があるので生成物が導入目的を満たしているかチェックしなければいけません。
一方有料版だと利用できる機能が増え、トラブル時のサポートが充実しているツールも多くあります。ただし有料版の多くがサブスクなため、毎月のコストを回収できるか試算することが重要です。
③日本語に対応しているか確認する
海外製の生成AIも多いので、日本語のサイトやサポートがあるかも確かめておきましょう。特に最新の生成AIは海外で開発されることが多いだけに、日本語での対応が追い付いていないのが現状です。日本語の充実度を重視するなら国産の生成AIを優先的に活用しましょう。
④サポートの有無を確認する
いざ使い方が分からなかったりトラブルに遭ったりした際は、サポートの充実度が重要になってきます。特に技術面で疑問が発生したときにスムーズに対応してくれるかがカギです。
一般的には有料版ほどサポートが充実しているので「生成AIに明るくない」「AIに知見のある人材が不足している」という企業は、サポート重視でツールを選びましょう。
生成AI一覧のまとめ
本記事では、生成AIの種類とおすすめのツール一覧、選ぶポイントについて紹介しました。
生成AIは文章や動画、画像制作、プログラミングコードなど多様なコンテンツを生成できます。ツールの改良も進んでおり、クリエイティブなコンテンツ制作や業務の生産性向上なども期待できるでしょう。ツール選びに迷ったときには、ぜひ本記事を読み返してください。
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