「建設業経理士の資格を取りたいけれど、講習選びで迷っている」という方も多いのではないでしょうか。建設業経理士の合格率はそこまで低くないものの、初めて挑戦する方や試験対策を効率よく進めたい方には講習選びが重要になるでしょう。
しかし、建設業経理士の講習は様々で受講期間・料金・級数によっても講習選びは異なるのです。
そこで本記事では、建設業経理士の資格取得を目指している方を対象に、講習の選び方や注意点、おすすめの講習について紹介します。
建設業経理士とは?
建設業経理士とは、建設業界に特化した経理・財務の知識とスキルを持つ専門資格です。
建設業は、一般的な企業と比べて経理業務が複雑で工事ごとの収支管理や原価計算、年度末の収支整理など専門的な知識が必要になります。資格は1級から4級まであり、1級は高度な知識を活用した管理や分析を行う能力が求められるため、経理部門のリーダーや管理職を目指す方は取得しておきたい資格でしょう。
また、建設業経理士は簿記と混同される資格ですが、以下のような違いがあります。
- 日商簿記:業種を問わない財務や経理の資格
- 建設業経理士:建設業に特化した財務や経理の資格
以下の記事では簿記講座について解説していますので、併せてご覧ください。
建設業経理士の合格率
建設業経理士の合格率は各級で以下の結果となっています。(※令和6年3月13日 実施分)
級数 | 受験者数 | 合格率 |
4級 | 163人 | 79.1% |
3級 | 1,735人 | 65.3% |
2級 | 8,920人 | 47.7% |
1級 | 財務諸表:1,349人 財務分析:1,179人 原価計算:1,630人 | 財務諸表:36.8% 財務分析:45.8% 原価計算:20.1% |
上の表を見て分かる通り、級数が上がれば上がるほど合格率は低くなります。ただし、2級で合格率は50%近くあるため、自分に適切な講習を選び、試験対策を行えば十分に合格できるでしょう。
建設業経理士の講習は義務?
建設業経理士の講習は資格を取得して合格後5年を経過すると、経営事項審査の評価対象となるため「登録経理講習」を受けなければいけません。そのため、試験に合格した人は講習が義務になります。
また、建設業経理士に関する講習であればどの講習でもいいわけではありません。登録経理講習は、国土交通省から実施機関として認定された建設業振興基金が実施している講習のみになりますので、注意しましょう。
建設業経理士講習選びのポイント
建設業経理士講習選びのポイントは以下の3つになります。
- 目標とする級数に適したコースを選ぶ
- 試験に沿ったカリキュラムであるか
- 受講料が適切であるか
目標とする級数に適したコースを選ぶ
建設業経理士の講習選びでは、自分が目指す級数に合ったコース選びが重要です。
建設業経理士には4級から1級まであり、特に1級は高度な財務・会計知識や管理スキルを求められるため、目指す際はより深い理解が得られる講習を選ぶのが良いでしょう。また、2級・3級の講座では、基礎力を固めるための学習を中心に、建設業独自の会計処理や税務知識もカバーする内容が求められます。
目標とする級数に応じて学習内容は異なってくるため、自分が目指す講習に適したコースを選択しましょう。
試験に沿ったカリキュラムであるか
講習選びでは、受講するコースが試験範囲に沿った内容をカバーしているかも重要なポイントです。
特に建設業経理士試験は、業界特有の経理知識や原価計算、税務知識などが出題されるため、実務経験が浅い方にとってはハードルが高いと言えるでしょう。
試験対策に特化した講習では、過去問や模擬試験、頻出分野の解説を交え、合格のために必要なスキルを効率的に習得できるようになっています。試験直前の対策講習やポイント解説が豊富なカリキュラムであれば短期間で集中的に学び、合格できるでしょう。
受講料が適切であるか
講習の受講料は、カリキュラム内容やサポート体制に応じて異なるため、コストパフォーマンスを優れているものを選びましょう。
例えば、試験対策用の個別指導や模擬試験が含まれている講習は費用が高くなる傾向にありますが、合格を目指すのであれば効果的です。逆に、基礎学習や自習用教材の提供がメインであれば、比較的リーズナブルな価格で受講できる場合が多く、初学者や3級・4級を目指す方に適しているでしょう。
また、合格した場合に返金される合格保証制度がある講座も検討すると自分の予算や学習目標に合ったコースを選ぶことができます。
おすすめ建設業経理士講習一覧
おすすめの建設業経理士講習を紹介します。
セミナー名 | 社名 | 価格 | 特徴・ポイント | 受講形式 | 開催場所 | 講座時間・回数 | 教材・テキスト |
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大原の建設業経理士講座 | 資格の大原 |
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弥生カレッジCMC | 弥生カレッジCMC |
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Webコース | 日建学院 |
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Net-School | Net-School |
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ユーキャン | ユーキャン |
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1位 大原の建設業経理士講座|資格の大原
画像引用:資格の大原
大原の建設業経理士講座は、豊富な経験を持つ講師陣による細かい指導と合格ノウハウが詰まったオリジナル教材を提供し、初学者から経験者まで効率的に学べるカリキュラムを揃えています。
通学・Web・DVD・資料通信から選べる受講スタイルや、基礎講座・直前対策を含む分かりやすい動画解説が特徴です。また、振替視聴や転校制度、メール・電話での質問対応も整備され、安心して学習に専念できるサポート体制も充実しています。
2位 弥生カレッジCMC
画像引用:弥生カレッジCMC
弥生カレッジCMCは、低価格で建設業経理士講座を提供する予備校で、特に「新パーフェクトセット」(13,200円)には過去問や理論対策が含まれており、建設業経理士の試験内容を網羅できる内容となっています。
基本講座はYouTubeで無料公開され、講義はジュメを基に講師が図や図解を用いて解説するスタイルです。模試や質問会などサポートが充実しており、低コストで学習したい方に適しています。
3位 日建学院|Webコース
画像引用:日建学院
日建学院の講座は、過去問題の頻出パターンを押さえた要点解説により原価計算や簿記の違いを把握しやすく、映像講義を通して試験のポイントを効果的に学べます。
長年のノウハウが詰まった映像講義は一流講師が制作。図表や動画を駆使することで理解・記憶の定着率が高く、日建学院の映像講義のクオリティの高さと教材の完成度は多くの企業、法人、大学等からも高い評価を受けています。
4位 Net-School
画像引用:Net-School
Net-SchoolのWeb講座では、建設業経理士検定に対応した「出題パターンと解き方 過去問題集&テキスト」を使用し、独学では得られない具体的な解説や解き方指導を実施します。
また、試験対策として、過去問題ゼミでの頻出論点解説や出題傾向に基づいたオリジナル直前答練、理論添削指導を用意しています。
講義は24時間いつでも受講可能で、スマートフォンやタブレットでの学習もできるため、ライフスタイルに合わせた効率的な学習が可能です。
5位 ユーキャン
画像引用:ユーキャン
ユーキャンの講座は、建設業経理士2級合格を目指し、5ヵ月で効率的に学べるカリキュラムを提供しています。オリジナルのテキストは3冊で試験頻出内容がコンパクトにまとめられています。独自の過去問題集は、過去2回分の試験問題に解法テクニックを加え、学んだ知識を確認するのに役立ちます。
また、副教材の「本試験対策トレーニング」では出題パターンと対策方法が整理され、解答ペースのアドバイスも。質問サービスや試験終了までの指導があり、添削を多く受けたい方にも適しています。
また、建設業経理士は建設業のみですが会計資格の中でも最高峰にある「公認会計士」の資格取得を将来的に目指したい方は以下の記事も併せてご覧ください。
建設業経理士講習選びの注意点
建設業経理士講習を選ぶ際は以下3つの注意点を留意しましょう。
- 実績がある講習か
- 講習の有効期限を確認する
- 経営事項審査の評価対象となるか確認する
実績・信頼性がある講習か
建設業経理士講習を選ぶ際には、実績がある講習を選ぶことが重要です。例えば、過去の合格実績や受講者のレビューを確認することで、講習の信頼性を判断できます。
実績のある講習であれば、専門的なノウハウや効率的なカリキュラムが整っており、安心して受講できるでしょう。また、業界団体や認定機関からの支持を受けている講習であれば、より安心して学べる環境といえます。自分の学習スタイルや目的に合った実績のある講習を選ぶことで、合格できる確率を上げられるでしょう。
講習の有効期限を確認する
講習を選ぶ際には、有効期限を確認することも重要です。建設業経理士の資格取得後、講習の内容や資格の有効期限が異なるため、把握しておく必要があります。有効期限が設定されている講習では、期限内に必要な単位を取得しなければいけません。
また、資格の更新が必要な場合もあるため、受講後に資格を維持するためのフォローアップ講座や再受講の制度が整っているかも確認すると良いでしょう。
経営事項審査の評価対象となるか確認する
経営事項審査(経審)とは、国や地方公共団体などが発注する公共工事の入札に参加する建設業者が必ず受けなければならない制度です。
受講を検討している講習が経営事項審査の対象となる場合、その講座を選ぶことで将来的に業務の幅を広げることが可能になります。また、講習が関連する法令や基準に則った内容であれば、実践的な知識を得られるだけでなく、信用向上にも繋がるでしょう。
建設業経理士講習を受講するメリット・デメリット
建設業経理士講習を受講する最大のメリットは、建設業に特化した経理知識やスキルを体系的に学習できることでしょう。建設業経理士講習は4級などは独学でも十分試験に合格は可能ですが、階級が上がるごとに難易度は高くなります。
一方、講習の受講には時間と費用がかかることが、デメリットと感じる方もいらっしゃるでしょう。講習によってはテキスト中心の学習ですから、独学は難しいと感じている方は講義形式の講習を探す手間もあります。
建設業経理士講習の口コミ
建設業経理士講習についてのまとめ
建設業経理士の資格取得を効率的に目指すためには、講習選びが重要になります。各講座は対象とする級数や受講形式、受講料、サポート体制が異なるため、自分の学習スタイルと目標に適した講習を選びましょう。
また、試験範囲に対応したカリキュラムの有無や受講実績も確認すべきポイントです。経営事項審査の評価対象となる登録経理講習は資格取得後のキャリア形成にも役立つため、本記事を参考に建設業経理士の講習を選んでみてください。
また、建設業の会計・経理に関する仕事はExcelなどのスキルも必要になります。「Excelを習得する時間がない」「応用や業務で使用できるスキルを短期間で習得したい」という方はProskillが運営する「Excelマクロ・VBAセミナー」の受講を検討してみてください。